走ったりエアロバイクを漕いだり、水泳をしたりと有酸素運動には様々な“手段”がありますが、ずっと続けているのに一向に痩せない…という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
ダイエットや肉体改造は、努力が結果に正直に反映されやすいものですが、ちゃんとした手順を踏んでいないとそれもまた結果として反映されてしまうのです。
米国のサイト、shape.comが提示している「有酸素運動をしているのに痩せない人が犯している8つの間違い」を見れば、きっとどこか当てはまってしまっている部分があると思います。
自分の生活、トレーニングの行い方を振り返りながら、当てはまってしまっている部分がを確認してみて下さい。
有酸素運動をしているのに痩せない人が犯しているであろう、間違いとは?
以下は翻訳部分になります。
体重が一向に減らない、有酸素運動はしているのに・・・。そんな人たちには共通する間違いがあります。やり方を変えるだけでスムーズに減量できますので、見直してみましょう。
間違い1:早く体重を落としたいから、筋トレはやらずに有酸素運動だけに集中する。
有酸素運動だけやる、というのは退屈なばかりでなく、実はカロリー消費も少ないのです。
「筋トレによって筋肉がついて基礎代謝、活動代謝が向上すれば、体脂肪も減ります。つまり筋肉がつけば、日常の消費されるカロリーも増えるのです」
こう語るのは、ハイ・パフォーマンス・ジムの共同オーナーで、セレブリティ―・トレーナーのエリザベス・バーウェル氏。
また、ある種の筋トレは有酸素運動の2倍のカロリーを消費します。米国エクササイズ評議会の最近の研究によると、ケトルベルを使ったエクササイズの消費カロリーは1分間で20キロカロリーにも達するとのこと。
この消費量は1マイル(1.60934km)を6分で走った場合のカロリー消費量に匹敵します。
ケトルベルやTRX、ウェイト・リフティングなどの筋トレを基本に、中1日あけた週4回のワークアウトを取り入れて、効果的に体重を落としましょう。
間違い2:有酸素運動が先、筋トレは後。
有酸素運動から始めるべきか、筋トレから始めるべきか?これはいわゆる『卵が先か、鶏が先か?』という言葉のように、なんとも答えようがない議論です。
「もしも有酸素マシンで高強度のランニングやサイクリングをした後に、筋トレをしようとしても、残されたエネルギーでは効果的なトレーニングは望めません。」
こう述べるのは、認定トレーナーでボディ・プロジェクト・フィットネス&ライフスタイルの創設者、リンゼイ・ヴァストーラ氏。
同氏はまた、高強度の有酸素運動と全身の筋トレのワークアウトをするのなら、別々の日にそれぞれ行った方が、運動の過程で消費されるカロリーが増えると述べています。
(※補足:この有酸素運動と、筋トレを別々の日に行った方が良いというのは、間違い7個目の部分で若干訂正(補足)が加えられているので、7個目の部分にも目を通して頂いた方が良いかと思います。)
間違い3:有酸素運動のトレーニングでは最低500キロカロリー燃焼するまでやる。
「マシンが表示する消費カロリーが目標値になるまでダラダラとトレッドミル(ランニングマシンのこと)の上にいても、時間の無駄。ランニングマシンに映し出される数字はあくまでもあなたの消費カロリーを“推定”しているにすぎません。」こう述べるのは前出のヴァストーラ氏。
マシンの表示は無視!運動強度に注目しましょう。短時間でも強度の高い運動をすれば、マシンを降りた後でもカロリーは燃焼し続けます。
心拍数モニターを使って、最大心拍数(最大心拍数は220-年齢)の75~85%ほどの強度を狙うか、自覚的運動強度(RPE)10段階で8か9の強度を保つようにして、ワークアウトの質を高めるように心掛けましょう。
間違い4:体重落すためには「脂肪燃焼ゾーン」を維持!
低強度の運動中、体はエネルギー源として脂肪を燃焼します。これは“脂肪燃焼ゾーン”とも呼ばれ、最大心拍数の65%程の強度と言われています。しかし、体重を落としたい場合、この“脂肪燃焼ゾーン”にこだわる必要はありません。
重要なのはエネルギー源ではなく、カロリーの総消費量。
フロリダ国際大学非常勤教授でCSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)のマルタ・モンテネグロ氏は、「ワークアウトの強度が高いほど、トータルのでの消費カロリーが多くなります」と述べています。
また同氏は脂肪の燃焼はワークアウト終了後、最大で24時間持続するので、脂肪の燃焼も結果的により早いという研究結果にも言及しています。
しかし、これまでのすべての有酸素運動メニューを、高強度で最大努力を要するトレーニングに替えるという場合、過度のトレーニングによる疲労や怪我などのリスクが伴うことを忘れてはいけません。
モンテネグロ氏が推奨する方法は、低強度と高強度の運動を交互に行い、体が回復する十分な時間を与え、同時に一貫したトレーニングの習慣付けを狙うもの。
例えば、高強度のトレーニングを月・木に行い、低~中高度のトレーニングを水・土に、さらに火・金にはヨガやストレッチをするといったプログラムです。
間違い5 :脂肪を燃焼させたいから、空腹で有酸素運動!
ガソリンがなければ車は動きません。人間の体も同じです。特に、有酸素運動の時に使われる大きな筋肉は、糖質と脂質の組合せをエネルギー源としています。
「空腹で有酸素運動をすると、体は体脂肪ではなく、血液中と筋肉に蓄えられた糖質と脂質をエネルギーとして使ってしまうのです」と話すのは、オーボーン大学運動生理学教授のマイケル・オールソン博士。
博士はまた、この方法は完全に逆効果であると指摘しています。なぜなら、空腹で有酸素運動をすると、低血糖や脱水状態になる可能性があり、体脂肪が燃焼するとされる40~50分のエクササイズ、または強度の高いパフォーマンスには届かなくなります。
ジムでのワークアウトの90分前にまでには、エネルギーとなる食事をして、より多くカロリーを燃やしましょう。オールソン博士のお勧めは、軽くて消化の良いもの、例えば果物と低脂肪ヨーグルト約100g+グラノーラ。コップに2杯ほどの水もしっかり飲んでおくことを忘れずに!
間違い6 :マラソンに向けてトレーニングすればスリムになる!
5キロマラソンやフルマラソンを走ることは本当に良い事ずくめです。心肺機能が高まりスタミナもつく、チャリティマラソンなら人のためにもなるでしょう。でも、体重計の数値が小さくなるという効果は必ずしも含まれていないようです。
マラソンでゴールするためのトレーニングは、体が長距離を走るためのエネルギーを保てるよう鍛えるものです。
つまり持久力がついてくると、体は徐々にランニング中の体脂肪燃焼の量を減らしていくのです。こう話すのは、元競技ランナーで、ストレングス・コーチ兼パーソナル・トレーナーのジョン・エリック・カワモト氏。
レースには良いことが、体脂肪を減らすとなると実は逆効果。それに加えて、食欲が増進する人も多く、実際にカロリーを摂り過ぎて体脂肪が付いてしまうランナーもいます。
カワモト氏は「レースに向けてトレーニングしながら体重も落としたい場合は、ランニングのメニューの他に、週に3回までの筋トレを追加しましょう。
その際、相対する筋肉群(背中と胸など)を鍛えることと、関節の動きと機能を向上させることの両方にフォーカスすると、筋力も鍛えられ、カロリーもより多く燃焼するでしょう」とアドバイスしています。
また、ランニングを1日だけクロスバイクの有酸素運動(スポーツジムに置いてある手と足で漕ぐように動かすマシンのこと)に替えると、怪我の予防にもなり、違う種類のエクササイズをすると心肺機能もより鍛えられると提案しています。
最後に食生活。栄養バランスのとれた献立で必要な栄養素を摂り、カロリーの摂り過ぎのないように気を付けましょう。
間違いその7:有酸素運動と筋トレは別モノ。
混乱させてしまうかもしれませんが・・・、筋トレと有酸素運動を別々の日にした方がいいのは、どちらも“かなり高い運動強度の場合”です。そうでない場合は、有酸素運動と筋トレを混ぜて行っても十分に効果的です。
ある調査では、筋トレの最中に20分間バイクを漕いだ人は、筋トレの前または後にバイクを漕いだ人に比べて 、エクササイズ後の代謝への影響が大きかったという結果があります。
「これは、エクササイズの後でも代謝によるカロリー燃焼が続いているということです」と述べるのは前出のモンテネグロ氏。次のジムの日に有酸素運動と筋トレで迷ったら、両方やればいいのです。筋トレのセットの間の休憩時にトレッドミルで走るのが理想ですね。
間違い8:有酸素運動しているから、食べたい物をいくら食べても平気!
そうだといいですよね・・・。たいていの人は運動で消費したカロリーは多めにカウントして、食べた物のカロリーは少なめにカウントするものです。(有酸素マシンの消費カロリーの表示も実際より多めなことがあります。)
CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)であるブレット・コントレラス氏はこうアドバイスしています。
「体脂肪を落とすには、実は運動だけではあまり効果的ではありません。最近の研究結果では、肥満の人が有酸素運動だけ、または筋トレだけを8か月間も行って体脂肪の減少を見たところ、減った脂肪はたったの約2.5kgだったそうです。」
これは効率的とは言えませんね。カロリー計算も運動と同じように大切です。健康的な食生活で、体重を落とすための食事を心がけましょう。
いかがだったでしょうか。何か新しい発見などはありましたか??
全身の筋トレと有酸素運動を同じ日にするか、別々の日にするかという部分に関しては、ほとんどの方がそれほど頻繁にジムに通えるわけではないということを考えると、同じ日に行うというのが現実的ではないかと思います。
7では筋トレのインターバル時に、有酸素運動を入れるのが効果的とありますが、これが難しい場合は、筋トレ→有酸素運動の流れでトレーニングを行うようにしましょう。有酸素運動→筋トレよりもこちらの方が体脂肪の燃焼に効果的です。
この詳細に関しては以前の「なぜダイエットは有酸素運動より筋トレを先にやるべきなのか?」という記事で書いています。
8.の項の有酸素運動、筋トレ片方だけを行っていった研究結果で8カ月で約2.5kgしか体脂肪が減らせなかった(体重ではなく“体脂肪”という点に注意)というのは、トレーニング頻度、トレーニング強度、そして食生活の詳細がわからないので何とも言えませんが、切り詰めてやり込めば有酸素だけ、筋トレだけでも8カ月あればもっと落とせると言えるでしょう。
わかりやすい例で言うと、今流行しているライザップは筋トレだけで、2カ月で大幅に肉体改造させていますしね。まあ地獄のような食事制限もセットでついてくるわけですが笑
「有酸素運動を続けてるのに痩せない!」という方は運動の強度、頻度、そして食生活どれか(あるいは全て)に問題があるので、そこを見直す、あるいは筋トレもメニューに加えるなどの策を施していきましょう!
それではフィットネスジャンキーでした!