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筋トレ後の糖質摂取で得られる効果について

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こんにちは!フィットネスジャンキーです!

米国のサイト、Bodybuilding.comで運動生理学の博士であり、LLクールJやドクター・ドレなど数々の有名人のトレーナーも努めた経験のあるジム・ストッパーニ氏が、筋肉をつけたり疲労回復を促す上で、トレーニング後の糖質摂取がいかに重要かということを述べていました。

筋トレの効果を最大限に生かすためにも、この著名なストッパーニ氏が綴った記事を見てみましょう!

筋肉をつける、そして疲労回復を促す上で重要な筋トレ後の糖質摂取

以下は翻訳部分になります。


私はトレーニング後にキャンディー(糖質)を食べることが好きです。

私の食事を、もし模倣したことがあるなら、私がトレーニング後すぐに『高GI値の糖質』(ご飯、食パン、チョコレートなど早く吸収される糖質のこと)を摂ることに、大いに賛成なことはおわかりでしょう。

糖質の摂取を抑えている時期もありましたが、私が計画する栄養プログラムのほとんどはプロテインクレアチンβアラニン、カルニチン、ベタインといったサプリメントと共に、トレーニング後の糖質のことも含まれています。

私のトレーニング後の糖質の摂取としては、甘い味のものに含まれるデキストロース(ブドウ糖のこと)を好んでいます。

ここ最近、トレーニング後の糖質の重要性については沢山の質問を受けます。

糖質がどのように筋肉の回復と成長に関係するのか混乱している人もいれば、糖質は体脂肪を付きやすくするのでは?と心配する人もいます。

トレーニング後の糖質摂取の力に興味があるのなら、この記事を読めば糖質の回復過程の役割を理解できるでしょう。

 

・筋グリコーゲンを素早く補給する

トレーニング後に糖質を摂取する一番の理由は、トレーニングで燃やした筋グリコーゲン(筋肉に蓄えられている糖質)を補給することです。

筋トレ時の主な燃料源は、この筋グリコーゲンになります。グリコーゲンとはグルコース(ブドウ糖)の貯蔵形態で、運動時のエネルギーになります。

グルコースは、筋肉を収縮するのに重要なATPを生成するために、必要に応じてグリコーゲンから分解されます。

トレーニング後に、筋肉のグリコーゲンを補給するのに一番良い方法は、できるだけ早く消化が早い(GI値が高い)糖質を摂取することだと研究で確認されています。

ただ、ウェイトトレーニングを行ったからといって、すぐに補給しないといけないほどグリコーゲンを消費していないだろう、と言う専門家もいます。

「何だって?」と私は言い返しますね。どんな量であれ筋肉のグリコーゲンが減ったら(特に筋肉の成長を目標としているのなら)補給することを考えるべきです。

「グリコーゲンの補給など心配せずとも良い」ともしトレーナーが言うなら、そのトレーナーのトレーニングは量も激しさも非常に少ないか、彼が何も調べたことがないかのどちらかでしょう。

筋トレ中のグリコーゲン使用量に関する研究では、合計6~20セット程の筋トレで約30~40%も筋肉のグリコーゲンレベルが下がることがわかっています。

私の組むトレーニングプログラムは、60~90分程で 「タバタ・トレーニング」のような高負荷のトレーニング・テクニックも使うので60~75%にまでグリコーゲンレベルが枯渇されます。

糖質をしっかり摂り、筋肉のグリコーゲンを補給しましょう。そうしないということは、筋肉の回復を限られたものにしてしまうということです。

事実、たった2時間糖質の摂取を遅らせるだけで、50%ものグリコーゲン補給率が下がるということがわかっています。

激しいトレーニング後、すぐに(特に高GI値の)糖質を摂取することの他の利点としては、精神的な疲労も回復できるということです。

糖質は、過酷なトレーニング後に感じる疲労や気だるさを取り除き、エネルギーに満ち足りた気分にしてくれます。

加えて、トレーニング後に高血糖の糖質を摂取することは、減量過程において何のマイナスになることもなく、大きな精神的欲求を満たしてくれます。

 

・筋トレ後の糖質摂取によるインスリン反応に関して

高GI値の糖質の別の利点として、それがもたらすインスリン・スパイク(インスリン反応)があげられます。

インスリンはタンパク同化ホルモンと考えられていますが、筋肉の成長におけるインスリンの役割に関しては、しばしば議論が交わされています。

インスリンは筋肉のタンパク質合成を起こし、筋肉の分解を抑える重要な要素とかつては信じられていましたが、今では筋肉の成長にはさほど重要ではない、とする研究もあります。

それよりもタンパク質から、筋肉細胞に適切な量のアミノ酸を運ぶということがより重要であると思われます。

最近になってやっと、トレーニング後のタンパク質の単独での摂取と、タンパク質+炭水化物の摂取が比較研究されてきました。

タンパク質合成を考えると、プロテイン・シェイクに糖質をプラスすることは、ほぼタンパク質だけのプロテインシェイクよりも筋肉のタンパク質合成を促さないし、筋肉のタンパク質の分解を抑えもしないということがこの研究でわかりました。

しかしトレーニング後、すぐのインスリン反応というのはやはり重要です。インスリンは筋肉細胞の特殊なレセプター(受け皿)に結び付きます。

すると、グルコース(ブドウ糖)とアミノ酸が、クレアチンとカルニチン同様、筋肉細胞に取り込まれます。

事実、研究によってクレアチンとカルニチンは、どちらも筋肉細胞に入り利益をもたらすのに、インスリンが重要であるということがわかっています。

トレーニング後にこれら2つのサプリメント(クレアチンとカルニチン)を摂っていて、筋肉を作ることが主な目標なら、インスリンレベルを最大限にあげたいと思うようになるでしょう。

全ての食事から糖質を抑えているダイエット、減量を行っていて、トレーニング後の糖質摂取も抑えたい場合は、トレーニング後にプロテイン・シェイクとBCAAを摂取することで、これら(クレアチン、カルニチン)を筋肉に運ぶよう、インスリンに適切にスパイクをうってくれますよ。

 

 トレーニング後のベストな糖質とは?

トレーニング後に、純粋なグルコース(ブドウ糖)を摂ることは、体がそれを消化する必要がないということです。

トレーニング後のグルコースは、摂取後すぐに血流に吸収されるので、早く疲れ切った筋肉に届いてくれます。

つまりグルコース(ブドウ糖)は、最も早く完璧な筋肉のグリコーゲン補給となります。これにより、筋肉が次のトレーニングに向けて十分なグリコーゲンを貯め、筋肉細胞に水分を送ることで筋肉の大きさを最大限に保てます。

トレーニング後に消化の早い糖質を摂ると太る、と多くの人は心配しています。

しかしトレーニング後というのは、そうした糖質が体脂肪に変わらないことがほぼ保証されている時間の一つなのです。

ダイエット、減量をしているならば、少しでもカロリーを抑えたいと考え、トレーニング後の糖質までも抜きたいと思うかもしれませんが、それならば一日の食事の中から糖質を少し減らし、その分をトレーニング後用としてまわした方が良いと言えるでしょう。

 

トレーニング後の糖質摂取による成長ホルモンとテストステロンの分泌について

トレーニング後、すぐの糖質は成長ホルモンテストステロン値を下げると主張する専門家もいます。

しかしそれらの数値が下がるのを防ぐために、トレーニング後すぐの糖質はやめましょう、という勧告は間違いです。

なぜか?それは、成長ホルモンとテストステロン値はトレーニング中にピークに達するからです。つまりトレーニング後、糖質を摂ったかどうかというのは関係なく、これらの数値は下がるのです。

ですので、トレーニング後には何か食べて、どのみち下がるホルモン値を気にするのはやめましょう。

 

ジム・ストッパーニ氏(著者)が語る抑えておくべきポイント

冒頭でも述べたように、筋肉の回復と成長を真に最大限のものとするための最大の鍵は、トレーニング後すぐにタンパク質と共にすぐ消化される高GIの糖質を摂ることです。

この方法がどれほどよく効くかは、議論せずとも明らかです。

トレーニング後というのは、高GI値の糖質を最大限に利用できる時であり、トレーニング後に摂るべき他のサプリメント(クレアチンやカルニチンなど)の働きも助けます。

トレーニング後の食事から糖質の摂取を行わない唯一のケースは、全ての食事から糖質を抜くという手法を取っている場合です。

これは、筋肉を増やすというよりは、より体脂肪を減らすということに焦点を当てた場合の手法です。

しかし、トレーニング後の糖質摂取なしでも筋肉のタンパク質合成を損なわない方法はあります。

それが前述した、「トレーニング後にプロテイン+BCAAを摂る」ということです。

最近の研究でわかった、糖質に関する以上の知識をうまく使う際には、以下のガイドラインを参照してください。

・筋肉のタンパク質合成を最大限のものとするために、トレーニング後すぐ、ホエイとカゼインの混合プロテインでタンパク質を摂りましょう。

・タンパク質の合成を確実に最大限のものとするため、またインスリンのスパイクをより強いものとするため、トレーニング後に5~10gのBCAAを加えてみて下さい。

全ての食事から糖質を極力抜くようなダイエット、減量をしているなら特に大切なことです。

 

・糖質を摂る際は、あなたの体重や目標、トレーニングの強度に応じて高GIの糖質を20~60g辺り(80~240kcal)をトレーニング後に摂りましょう。

この糖質摂取後、もし気だるさを感じてしまうようであれば、15~30g辺り(60~120kcal)の高GI炭水化物と、果物やオートミール、さつまいもといった低GI炭水化物(15~30g)を一緒に摂って下さい。

 

・全ての食事から糖質を抜いていて、トレーニング後のものも抜くダイエット、減量の手法をとっているなら、プロテインと5~10gのBCAAを摂りましょう。

糖質がほぼなくても、筋肉のタンパク質同化作用を保てます。


筋肉、疲労回復に欠かせないトレーニング後の糖質

糖質というと、どちらかというと昨今では悪者扱いされている印象さえありますが、このように運動後の疲労回復や筋肉の成長に欠かせないものなんですね。

確かに激しい運動後に甘いものが美味しく感じたり、食べたくなるという方も多いのではないでしょうか?

アスリートや運動選手は甘いもの好きの人も多いですよね。運動で消費した筋グリコーゲンを補充しようと、カラダが無意識に欲しているのかもしれません。

疲労回復の意義もありますし、筋肉をつけたいという方は特にトレーニング後の糖質摂取は重要なのでタンパク質と同じく摂っていくようにしましょう!

それではフィットネスジャンキーでした!