筋力トレーニングに日々励んでいる方や、スポーツでのパフォーマンス向上を目指している方は、キングオブトレーニングと言われているバーベルでのスクワットを行っている方は少なくないと思います。
現にスクワットは関節の可動範囲の大きい、つまり運動の幅も大きく全身の筋肉の7割を占めるといわれている下半身全体を鍛えられるトレーニングであり、体幹部もトレーニングできる非常に有用なトレーニングだと思います。
しかし以前「片手で行うウェイトトレーニングの重要性」という記事に記したように日常や特にスポーツの世界では、シングルレッグのストレングス(片脚での強さ)を発達させることも重要だと言われています。
何故片脚で行うスクワットも必要なのか??
日常やスポーツ、陸上競技の世界においてスクワットやレッグプレスなどの両足が同時に均等の力を出すという機会はほとんどありません。走るという動作も左右の脚が別々のタイミングで力を発揮しているし、例えばサッカーやバスケットボールなどでジャンプする機会のほとんどがどちらかの脚で地面を蹴った反動でジャンプしていますね。
また重心においても、動作中に均等に5:5で両足に重心が乗っていることはなく、6:4ぐらいだったり、7:3だったり、時には9:1、10:0の時もスポーツにおいては頻繁にあると思います。
そこで片脚になった時のストレングス(強さ)や、どちらか一方の脚に重心が寄っている時のバランスを向上させることが必要になるということです。
シングルレッグ(片脚)でのストレングス(強さ)やバランスは、両足で行うスクワットやレッグプレスでは骨盤安定筋の動作が、スタンスが両足か片足かで変わってくるので発達できないと言われています。
実際に普段バーベルスクワットで120kgの重さでセットを組んでいる人や、200kg以上の重さでレッグプレスを行っている人でも片脚でのスクワットになるとうまくできなかったり、普段脚のトレーニングをほとんどしない人と、片脚でしゃがめる深さやできる回数があまり変わらないということもあります。
このシングルレッグスクワットはファンクショナルな(機能的な)トレーニングと言えますが、非常に強度の高いトレーニングです。また、トレーニングはしているけど特にスポーツはしていないという人も、バーベルスクワットの記録向上にもつながるのでバーベルスクワットに+シングルレッグを2セットほど行うなどして取り入れてみても良いと思います。
高い負荷をかけられるということはそれだけ筋肉量のUPにもつながります。ファンクショナルトレーニングはスポーツしている人でなければ意味がないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、身体が機能的になるということはそれだけ日常生活も楽になるという効果が期待できるので、ファンクショナルトレーニングはスポーツをしていない方でももちろんオススメです。
しかしこのシングルレッグのスクワットはかなりキツいので、あまりスポーツをしていない方は続けていく必要性を感じないかもしれません。
シングルレッグスクワットの行い方
① 両手を腰に当て、鍛えない方の脚を浮かせて膝を曲げておく。
② 胸を張ったまま片脚を曲げていき、自分が降ろせるところ(自分が脚を曲げた後に脚を伸ばして元の姿勢に 戻れるところ)まで膝を曲げながら上体を落としていく。このとき鏡があればそれを見て行い、身体の中心線が大きく横にずれないようにする。10回×3セット行う。
といったように書くのは簡単ですが非常にキツいトレーニングです笑 また、普段行うスクワットと同じで膝がつま先より前に出ると関節に負担がかかりやすいので注意しましょう!
また鍛えている方の脚(支持面)にエアレックスや、ハーフフォームローラーなどのフィットネスアイテムを敷いてさらに不安定な状態を作りだすと強度を上げることができます。
全然形にならない場合や身体を降ろせない場合は頭の後ろで手を組んで、トレーニングしていない脚をベンチやイスに乗せて行うところから始めてみてください。
これは筋トレTVさんの動画になります。このようにして脚をベンチやイスに乗せます。このやり方で行う場合は、動画のように片膝が床につきそうになるところまで、前の脚は太ももが床と平行になるところまで降ろしましょう。ダンベルを持って負荷をかけてもOKですが、バランスを鍛えたいのであればダンベルで負荷を上げていくのではなく、片脚をベンチやイスに乗せない形に移行するようにしましょう。
片脚で行うスクワットの方が怪我のリスクを減らせるか?
マイケル・ボイルというアメリカのフットボールや、バスケットボール、メジャーリーグベースボールのトレーナー経験のある有名なトレーナーも、このシングルレッグでのトレーニングの必要性を提唱していて、両足で行うバーベルスクワットのように高重量を扱わないので腰にかかる負担も少ないと述べていますが、シングルレッグでのスクワットは左右非対称に腰への負担がかかるから良くないんじゃない?という意見もあり、この辺りはあいまいな表現になってしまいますが、個々によるのとまだ研究の必要があると思います。
個人的には高重量スクワットでヘルニアを発症してしまったトレーナーの人も今までいたので、危険性はシングルレッグスクワットの方が少ないかと思います。
腰痛でバーベルスクワットが出来ない方、休んでいる方などはシングルレッグを試してみても良いと思いますが、腰に違和感を感じたらやはりいずれもやめておくべきですね。
それでは!