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広背筋の鍛え方!おすすめの筋トレ種目、方法5選を解説!

広背筋の鍛え方

逆三角形のたくましいカラダを作り上げる上で、鍛えるのに重要な筋肉の一つが広背筋です。

しかし広背筋は鍛える、効かせるのが難しいという方も多い筋肉でもありますよね。

今回は、広背筋を鍛える代表的な種目を紹介していき、それぞれの効かせるための正しいフォームとポイントについて解説していきたいと思います!

広背筋とは?

まずトレーニングする上で、意識をしやすくするためにも広背筋の画像から見ていきましょう。

広背筋

図をみると非常に大きな筋肉であることが改めてわかりますよね。骨盤から上腕骨の前側にまで及んでいます。

実際に広背筋は、人間のカラダの中で、“最も広い面積を持つ筋肉”と言われています。

大きな筋肉なので、ここを鍛えて発達させれば当然カラダの外見的な変化にも影響を及ぼします。解剖図をみればわかるように、上から逆三角形のような形で体に広がっているので、鍛えて発達させることで、逆三角形が強調されるシルエットにすることができるということです。

スポーツ選手でいえば、競泳の選手をイメージすればわかりやすいかと思います。実際に水をかく動作の時、つまり腕を後方へ引く動作の時は、広背筋がメインの筋肉として使われているので発達がしやすいんですね。

また、レスリングや柔道の選手も相手を自分の方に引っ張る、引きつけるような動作が多いため広背筋の発達している選手が多いと言われています。

実際に国士舘大学が2003年に行った研究では、広背筋が大きく動員される「背筋力」とレスリングの競技能力に相関関係があるということも論文で報告されています。

レスリング競技の競技力向上に関する研究 (第1報)―体力と競技力の関係について―

 

主に引っ張ったり引きつけたりする動作の際に使われる筋肉ということで、トレーニングではそれらの動作に負荷をかけていき、筋力と筋肉量を増やしていくということになります。

 

それでは広背筋を鍛えるのに効果的な種目と、それらのフォームやポイントなどを一つ一つ解説していきたいと思います!

広背筋を鍛えるのに効果的な筋トレ種目5選を紹介!

ラットプルダウン

どこのジムにも置いてある、背中を鍛える代表的なマシン種目がこのラットプルダウンになります。チンニング(懸垂)に近い筋肉の使い方ができるマシンですね。

また、ラットプルダウンやチンニングのように、上から引っ張る動作で背中を鍛える種目は、背中の幅を広げるのに効果的で、ローイング系のように前や下から引く種目は背中の厚みを出すのに効果的と言われています。

これは、上から引っ張るラットプルダウンやチンニングは広背筋と共に、“大円筋”という腋の下辺りにある筋肉を鍛えるのに効果的で、ローイング系の種目は広背筋と共に僧帽筋の中部、下部を鍛えるのに効果的という、補助的に鍛えられる筋肉に微妙に違いがあるからなんですね。

では、まずラットプルダウンの行い方をみていきましょう。

ラットプルダウンの行い方

 

① バーを握らずにまずはシートに座る。座ってみた時に体を固定してくれるパッドがしっかり太ももに当たっているかを確認する。

パッドが太ももに当たっていない場合は、位置を調節して太ももに当たる位置にくるよう調節する。(パッドが太ももと離れていると、動作中に体を固定してくれる役割をなさないため)

② パッドの位置が適正であることを確認したら、一度立ち上がりバーをつかむ。手幅は大体肩幅の1.5倍ぐらいの広さで握っていく。

手幅の目安として、男性であればバーの曲がっているところに親指がかかるぐらい、女性であればバーの曲がっているところに中指、小指がかかるぐらい。(背が平均より高い人はもう少し広めでよい)

握り方は、親指を中に入れる『サムアラウンドグリップ』(下図)の方が、広背筋に効かせやすいので、そちらの握りで行うことを推奨する。親指を他の指と同様の握りにする『サムレスグリップ』だと、前の“腕橈骨筋”という筋肉にも刺激が入ってしまうので、純粋に広背筋に効かせたい場合はサムアラウンドグリップで握る。

出典:出典:30代からの筋トレ、ダイエットのススメ

③ バーをつかんだまま、シートに座っていく。

④ しっかりと胸を張り、目線は斜め上に。息を吐きながらバーを鎖骨の少し下辺りを目掛けて降ろしていく。降ろした時にしっかりと肩甲骨を寄せることを意識する。

⑤ 息を吸いながらゆっくり重さをコントロールし、肘が伸び切る手前で止め、再びバーを降ろしていく。

※動作中、常に胸を張れていること、降ろした時に肩甲骨がしっかり寄っていることを意識することあごを引いて目線が下を向いてしまうと、広背筋に効きづらいので、目線は斜め上か真っ直ぐを意識する。

10~15回がギリギリできる重量(10~15RM)×3セットを目安に行う。

 

ちなみにラットプルダウンは、今回紹介したように、鎖骨の少し下辺りに向かって引く『フロントネック』というフォームと、頭の後ろに向かって引く『ビハインドネック』というフォームがありますが、フロントネックの方が広背筋には効かせやすいです。

関連記事:ラットプルダウンの行い方と効果的なフォームについて

チンニング(懸垂)

ラットプルダウンは体が固定された状態で重りを上げ下げする種目ですが、チンニングは体が完全にフリーの状態で、自分の重心も動作中にコントロールしつつ行う種目になります。

そのため肩甲下筋や棘下筋などの、俗に言うインナーマッスルにも刺激が入りやすいと言われています。

また、ラットプルダウンはパッドがあることによってバーを降ろす時に無意識に脚や腹筋に力が入って動作を手伝ってしまいがちなのですが、チンニングは前述したように何も固定するものがなく、腹筋や脚の力も介入しないので、より純度の高い背中を鍛えるトレーニングと言うことができると思います。

チンニング(懸垂)の行い方

① 肩幅より拳1個~1個半分外側に、手の甲がこちらを向くように(順手)バーを握る。握り方は、ラットプルダウンと同じ理由でサムアラウンドグリップで握る。

② 足を床、または台から浮かせたら、膝を曲げて両足を後ろで組むようにする。膝を伸ばしたままおこなうと、回数を重ねるごとに反動がついてしまいやすくなるため。

③ 目線を真っ直ぐ、あるいは斜め上に向けて胸を張り、上体を少し反らせる。あごがバーを越えるところまで体を上に引き上げる。

④ 肘が完全に伸び切る一歩手前まで体を降ろしていく。

※強く握りすぎてしまうと、肩甲骨の動きが制御されてしまい広背筋に効きづらくなってしまう。体を引き上げる時は、ある程度力を入れて握る必要があるが、降ろす時はグリップを少し緩めに握って強弱をつけた方が、より広背筋に効かせやすくなる。

10回×3セットを目安に、慣れてきたら1セットで行える数を増やしていく。10回出来ない場合は、ラットプルダウンでまず基礎的な筋力をつける。

 

ボディビルやフィジークの大会に出る人などは、ラットプルダウンも懸垂も両方行うという人も多いですが、普通に筋肉を付けたいという分にはどちらかの両方を一つ選べばよいと思います。

選び方は、単純に好きな方、効かせやすい方というように選んで頂いて結構です。

関連記事:懸垂(チンニング)で効果的に広背筋を鍛える方法を解説

ベントオーバーローイング

広背筋をメインに鍛える種目の中で、最も重い重量を扱えるようになるのがベントオーバーローイングです。

また、この種目は上体を斜めに傾けたまま重量を上げ下げすることにより、背骨の両サイドを走る“脊柱起立筋”という筋肉にも刺激が入る種目です。上体起こしや一般的にいわれる背筋運動などで使われる筋肉ですね。

ベントオーバーローイングの行い方

 

① 足を腰幅程度に広げ、バーベルの前に立つ。

② セットしたバーベルを順手で握り直立する。握る手の幅は、広げた足幅より若干広め程度に握る。(バーを引いている時に、手が脚に当たらないようにするため)

握り方は、こちらはサムレスグリップ(下図)で握った方が広背筋に効きやすくなります。

③ バーを持ったまま、腰を少し反らせてお尻を軽く後ろにつき出した状態を作ってから、上体を前傾させ、膝を若干曲げる。上体を前傾する角度は大体45度くらい。(上の写真ぐらい)

④ バーをおへそ、又はおへそより下の下腹部辺りに向かって、少し斜めの軌道で引き上げる。(真っ直ぐに引いてしまうと広背筋にあまり効かなくなってしまう) 腰が丸まらないように、真っ直ぐか若干反らせながら動作を行う。

バーを引き切った時に、胸が張れていて肩甲骨もしっかり寄せられている感覚があるということを確認する。

⑤ 引き上げたバーを降ろし、スタートポジションは崩さずバーを引き上げる動作を反復していく。

8~12回をギリギリできる重量(8~12RM)×3セットを目安に行う。

 

ベントオーバーローイングは、デッドリフトやスクワットと同じように、腰を丸めて行ってしまうと怪我をしてしまうリスクが高くなってしまうので、腰が真っ直ぐ、もしくは若干反らせるぐらいの状態を保ちながら行うようにしましょう。

関連記事:ベントオーバーローイングの行い方、効果、細かいポイント!

シーテッド・ローイング

こちらのシーテッド・ローイングもラットプルダウンと同じく、どこのスポーツジムでも見掛けることのできるマシンですね。

ラットプルダウンよりも、肩甲骨の外転という動作(肩甲骨を開く動き)が強調され、この時に僧帽筋の中部~下部がストレッチされるため、これらの筋肉により刺激が入りやすいトレーニングとなります。

バーは上の動画のように、2種類のつかめる部分があるタイプのシーテッド・ローイングが置いてあることが多いと思いますが、動画のように上のバーを握るとフィニッシュポジションで肩甲骨が寄せやすくなり、僧帽筋の中部~下部に刺激が入りやすくなります。その代わり、広背筋への刺激はすこし少なくなります。

広背筋を重視して鍛えたい場合は、個人的には下のバーを掴んで行う方が刺激を入れやすいと思います。(下のバーでも僧帽筋の中部~下部への刺激も入ります)

下のバーを握って行う場合、背中のトレーニングでもなかなか意識しづらい“広背筋の下部”辺りへも刺激を比較的入れやすいトレーニング種目になります。

シーテッド・ローイングの行い方

① イスの高さを、上のバーと肩の高さが平行になる位置か、それよりバーが若干低くなるように設定する。

② 胸にあてるバッドの位置を調節する。パッドを体にあてた状態で座り、手を伸ばした時に指先が触れるぐらいの位置に調節する。

③ バーを握り、息を吐きながら引いていく。引ききった時に、しっかり胸を張り、肘を閉めるような意識で行う。

重りを戻すにつれ、両側の肩甲骨が離れていってスタートポジションでは猫背の状態になり、そこから引いてフィニッシュポジションに向かうにつれ、引きながら胸を張っていくように行う。

10~15回がギリギリできる重量(10~15RM)×3セットを目安に行う。

 

ダンベル・ワンハンドローイング

僧帽筋の中部~下部、そして特に広背筋の下部辺りに効かせやすいダンベル・ワンハンドローイングは、動作自体は非常にシンプルですが、効かせるのに比較的、難易度の高い種目と言えると思います。

しかしこちらの方が、片方に重心を預けている分、より可動域を大きく引くことができるので、しっかり効かせ方を覚えれば広背筋の筋肉をつける上での強い味方となります。

 

① フラットベンチに片膝と片手を着き、もう一方の手でダンベルを握る。

② 胸を少し張り、背中を真っ直ぐにする。

③ 上体をしっかりと固定し、みぞおちの少し辺りをめがけてダンベルを引き上げていく。ダンベルを引き上げていくとともに、肘を閉めるような意識で行う。

④ 肩甲骨がしっかり寄ってダンベルが上がりきったら、ダンベルの重さをコントロールしながら元の位置へと戻していく。

10~15回がギリギリできる重量(10~15RM)×3セットを目安に行う。

 

ポイントとしては、親指、人差し指側で強く握ってしまうと上腕二頭筋に刺激が移行しやすくなってしまうので、薬指、小指側で強めに握るようにします。

また、肩がすくんでしまうと肩甲骨の動きが悪くなって広背筋に効かせづらくなるので、肩はすくませないように。

最初の内は「これ一体どこに効いてるの?」という感覚かもしれませんが、続けていくうちに慣れてきて広背筋への効かせ方もわかってきます。

 

広背筋はパンチ力に影響する?

広背筋というと、“ヒッティングマッスル”とグラップラー刃牙で呼称されたり、はじめの一歩で広背筋を鍛えてパンチ力をアップさせるという描写があることから、パンチ力に大きく影響する筋肉という誤解を受けがちですが、実際には前述しているように腕を後方に引く時に主に使われる筋肉なので、運動生理学的に言えば、広背筋の発達とパンチ力には何ら相関はありません。

格闘技をよくみる方ならわかるかと思いますが、ハードパンチャーの選手が広背筋が発達している選手が多いかと言えばそうでもないですよね。

全体的に筋肉があまり発達していないようにみえる選手でも、ハードパンチの打てる選手というのは沢山いるはずです。

ただ、パンチ力には影響を与えませんが、冒頭で記したように人間の体で最も面積の広い筋肉なので、ボディメイクには大きく影響を及ぼします。

逆三角形に近づくというのもそうですが、大きい筋肉を鍛えることは基礎代謝の向上が望めるからです。

また、広背筋を鍛えるプル・ロー系のトレーニングは、総じて肩甲骨をよく動かすので肩こりの解消にも効果的です。

肩こりは肩甲骨周りの筋肉が使われないことで硬くなり、それらの筋肉の血流が悪くなってしまうことが原因で起こるので、よく動かしてあげることが大切になります。

ボディメイク目的の方も、肩こり解消目的の方もぜひ広背筋を鍛えるこれらの種目を取り入れてみてください!

それではフィットネスジャンキーでした!