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ダンベルなどを使った片手、片足トレーニングの効果、メリットとは?

ダンベル トレーニング

バーベルスクワット、ベンチプレス、デッドリフト、懸垂などなど…これらの両手、又は両足を同時に動かして重量物を上げるトレーニングを『バイラテラルトレーニング』ともいいます。ダンベルなどを使って、片手、片脚でおこなうトレーニングは、『ユニラテラルトレーニング』です。

ウエイトトレーニングのBIG3と呼ばれる、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトはいずれもバイラテラルトレーニングですし、そのBIG3と呼ばれる所以(ゆえん)は、多くの筋群の筋量、筋力を増やすのに非常に適しているトレーニングだからです。

いわば体を鍛える上で効率良の良いバイラテラルトレーニングですが、片手で行うユニラテラルトレーニングの利点や、トレーニングプログラムを組む上で、バイラテラルとの使い分けはどのように考えれば良いのか??

bodybuilding.comでは、フットボール、パワーリフティングでの選手経験を持ち、現在ニューヨークでストレングスコーチをしている、トッド・バムガードナー氏が、ダンベルなどを使って行う、片手、片足のユニテラルトレーニングのメリットについて語っていました。

ダンベルなどを使った片手、片足トレーニングのメリット、効果

以下は翻訳部分になります。


 

バーベルで自分の筋力を確認しているとしても、両手をバー、両足を床に置いてのトレーニングばかり行う必要はありません。片側ずつ行う『ユニラテラルトレーニング』は、正しいやり方で行えばすべてのアスリートに効果的なトレーニングとなり得ます。

重量挙げの競技者や、熱心にバーベルトレーニングを行う人々は、筋力、サイズ、そしてパワーを追求します。筋力がつけば、サイズとパワーも一緒に向上します。

彼らはバーベルを上げ、引き、スクワットも回数多くこなし、そしてバー、プレート、カラーの数が全てと感じるようになります。そうした習慣がついているのであれば、片側ずつ行うユニラテラルトレーニングは子供の遊びのように思われるかもしれません。

片腕ずつ行うダンベルロウやダンベルプレスは、熱心なバーベル信者にもトレーニングとして適切と言えるのでしょうか?答えはイエスです。

あなたがマット・クロック(米国のパワーリフティングの選手)ではない限り、片足のトレーニングではあなたが想定しているほどの重量を挙げることはできません。

しかし、少し考え方を変えてみてください。片側ずつ行うトレーニングでも、バーベルトレーニングと同程度の負荷とすることができます。そしてその成果は必ずバーベルトレーニングにも反映されることになるのです。

 

1.左右の筋力の左右差を矯正する

スクワット、デッドリフト、ベンチプレスは全身の緊張と筋力を必要とする点で非常に特殊です。そのため、パワーリフターはしばしば自分たちの弱点部分(筋力が弱い部分)を「パワー漏れ」(power leakages)と表現します。大きな重量を挙げるためには、彼らは全身をまるでひとつの筋肉のように使う必要があるわけです。

不幸にも、私たちの多くがどのような筋肉でも片側が反対側よりも弱いのです。これは脚、背中、臀部、腕など、どの筋肉にも当てはまります。しかし、両方の筋力が均衡していないと、バーベルでも最大の力を出し切ることはできません。

経験を積んだリフターは、四肢のトレーニングを行ってそれぞれを強化することで、それらが一体となって動く時のパフォーマンスを向上させることができるということを知っています。

片足でのスクワットは簡単で重要でないように思えるかもしれませんが、このトレーニングにより、バーベルスクワットであと数キロ挙げられるようになるかもしれないのです。ただ重要なことは、四肢のトレーニングは充分に負荷のかかるものとしなければならないということです。

例えばシングルレッグスクワット、スプリットスクワット、シングルアームベンチプレス、シングルアームロウはすべて、高負荷にすることができるユニラテラルトレーニングです。残念なことに、多くの人々が充分に重いウェイトを選ばず、8レップ(回)またはそれ以上の高回数を行っています。

ここで強調したいのは、四肢それぞれのトレーニングでも高負荷の4-6レップで行うことができるということです。この程度で行わないと結果は伴いません。筋力の左右差は矯正され、バーベルトレーニングを行う時にはパフォーマンスが向上しているはずです。

 

2.故障中もトレーニングを行う

筋力向上のためのトレーニングには故障はつきものです。もちろん、痛めた筋肉のトレーニングを行うことはお勧めしません。しかし、いつでも何かできることがあるということを言いたいのです。

私たちはネガティブな状況によって、自分自身の気持ちを決めつけたり行動に必要以上の制限をつけたりしがちです。膝や肘を痛めたとしても、トレーニングをしている人たちをふてくされて眺めている必要はないのです。

例えば、今肩を痛めていてバックスクワットができないとします。それでも両手にダンベルを持って片足でスクワットやランジならできるかもしれません。

痛めているのは左手首だとしましょう。バーベルでのスクワット、デットリフト、ベンチはすべてこの傷を悪化させる可能性があります。でも右手首は全く問題ないとしたら、右腕のユニテラルトレーニングを行いましょう。右腕でプレス、プル、そしてウェイトを挙げることができます。

様々な研究によって、負傷していない四肢のトレーニングを行うことで、交差神経により負傷した方の筋力も向上させることができる(クロスエデュケーション効果)ことが明らかになっています。つまり、負傷中もトレーニングを行うことで、トレーニング自体の効果のみならず、負傷した部分の筋力の保持も期待できるわけです。

 

3.トレーニング量を増やす

それぞれが独立して動く四肢は、個別にトレーニングを行うことができます。もう何度も聞いているかもしれませんが、筋肉量を増やす最も簡単な方法はトレーニング量を増やすことだとすべてのコーチが言います。

問題は、両手・両足を使ったバイラテラルトレーニングで高負荷のトレーニングを増やすと、身体の回復能力を超えたストレスがかかってしまうことがあるということです。

一方で、ユニラテラルトレーニングでは過重なストレスをかけずにトレーニング量を増やすことができます。これらのトレーニングはバイラテラルで行うビッグリフトほどには、神経システムを疲弊させず、筋骨格システムに好ましい変化をもたらすのに、十分なストレスを与えることができます。


バイラテラル(両側)は“不自然な動き”でもある

以前の記事でも紹介したことがありますが、両手、両足が同じタイミングで、同じ方向、角度に力を発揮するという場面は実生活やスポーツ競技の動作でほとんどないため、『筋量や筋力を養うのには効率が良いけれども、実際には不自然な動きをしている』ということになります。

逆にシングルレッグでのスクワット、デッドリフトの様に片足立ちになって行うようなトレーニングには、動作中に骨盤を安定させるための筋肉が働いたり、足裏の固有受容器(バランス感覚を保つためのセンサー)を刺激したり

またロウやプッシュ、プレス系などの上半身系の片側のトレーニングでは、動作中に重りを持っている側の手の方に上体が回旋、側屈していかないように姿勢を保つことで、バーベルを使っている時とはまた違う体幹への刺激にもなります。

それぞれのトレーニングの利点をうまく活かして、トレーニングにも変化をつけてみてください!

それではフィットネスジャンキーでした!

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