筋トレ

タバタ式トレーニングの具体的なやり方や効果!エクササイズ種目や頻度も解説!

インターバルトレーニングや『HIIT』というと、何秒ぐらい運動して何秒ぐらい休憩する時間設定が思い浮かべられるでしょうか?

おそらく海外でも日本でも、そして様々なジャンルのアスリートの間でももっとも頻繁に採用されているのが『タバタ式トレーニング』の時間設定方法になるのではないかと思います。

今回の記事では、このタバタ式トレーニングの行い方や効果、タバタ式トレーニングを行う際にどのような種類のトレーニングや種目などが推奨されるか?などについて述べていきます!

タバタ式トレーニングとは?

タバタ式トレーニングは、「タバタ」というその名の通り、立命館大学スポーツ科学研究科の教授である田畑泉氏が発表した下記の研究論文がベースになっているインターバルトレーニング方法です。

Effects of moderate-intensity endurance and high-intensity intermittent training on anaerobic capacity and VO2max.

Metabolic profile of high intensity intermittent exercises.

その方法というのは、20秒全力で運動して10秒休み〜を1セットとし、これを8セット繰り返すというもので【30秒×8セット=240秒】とちょうど4分(240秒)で完結するインターバルトレーニングになります。

こういった研究論文というのは、英語で発表されるため日本ではあまり話題とならなかったこのタバタ式トレーニングですが…

時を経てから、アメリカの筋トレマニア達の間で「すごい良さそうなトレーニング方法があるぞ!」とネットの掲示板上などでこの論文が話題となり、その話題がアメリカの大手フィットネス雑誌「Men’s Fitness」にも紹介されることで一気に有名になっていきました。

日本人により考案されたトレーニング法にも関わらず、日本よりも先にアメリカやイギリスなどを始めとした諸外国の間で広まっていき、それがきっかけでここ3〜4年くらいで日本でも有名になったので、いわば「逆輸入型」のトレーニング方法とも言えますね。

 

ただ「有名なだけではない」タバタ式トレーニングの効果

きっかけこそネットの書き込みなどから有名となったタバタ式トレーニングですが、実際にアスリートのパフォーマンスアップとしてよく採用されているトレーニング法でもあり、名前だけが先行しているわけではありません。

インターバルトレーニングというと、他にも様々な運動時間と休憩時間の組み合わせが考えられますが、田畑氏らの研究によると最も効率良く“最大酸素摂取量”を向上させられる組み合わせが、20秒全力で運動して10秒休むというサイクル、つまり現在のタバタ式トレーニングの組み合わせだったとのことです。

最大酸素摂取量(1分当たりに摂取することのできる酸素の最大値)とは、有酸素性持久力の指標とされる数値で、単純にこの最大酸素摂取量が高ければ高いほど、それだけ有酸素性の運動を続けるスタミナも高いと考えられています。

またタバタ式トレーニングは、このような有酸素性の能力だけでなく、無酸素性の能力(無酸素性エネルギー供給機構)を向上させることも研究で証明されているようです。

無酸素性の能力が向上するというのは、ハイパワーで運動している時の強い力を落とさず、MAXやそれに近い力の状態をより持続させられる能力の向上、またはそのように強い力を使った後のスタミナの維持能力などに関係してきます。

スポーツでいえば、ボクシングでラッシュをしている時、サッカーやラグビーではボールを持って長めの距離をダッシュしている時などもそれに当たりますね。

また、3000m走などの10分未満程度で終了する(※選手が走れば)中距離種目などでも、メインで使用されているのは無酸素性エネルギー供給機構になります。

田畑氏らの研究によると、タバタ式トレーニングを週4回、6週間継続することで、当時のスピードスケート日本代表チームの無酸素性の能力(酸素借)が30%も向上したという結果がみられたとのことでした。

有酸素性の能力も無酸素性の能力もいっぺんに、しかも4分という短時間で鍛えられるというのは、確かに有用性の高いトレーニング方法であることがわかりますよね!

このような鮮烈なエビデンスがあったからこそ、タバタ式トレーニングは広まっていき、様々なジャンルのアスリートの間でも知られるインターバルトレーニングとなっていったのかもしれません。

ちょうど4分というのも覚えやすいですしね!

 

タバタ式トレーニングの行い方

タバタ式トレーニングは、かなり高い強度で運動することを前提としてプログラムされたトレーニング方法であり、中途半端におこなってしまっては意味のないものとなってしまいます!

ではかなり高い強度というのはどれぐらいかと言うと…

『最大酸素摂取量の170%の強度』、これは続けて行えば50秒程度で疲労困憊に達する強度であり、400mを全力疾走するくらいの運動強度となります。

つまりかなりキツイトレーニングということになりますが、それぐらいやらないと体力を向上させる効果も望めなくなってしまうので、20秒の運動している時間は、常に全力を意識して運動を行うように意識しましょう!

 

従来の筋トレは実はあまりタバタ式トレーニングの種目として向いていない

タバタ式トレーニングでは“何を運動に選ぶか?”という選択も重要となります!

前述したように、極めて高い強度で行う必要があるので、複雑な動きを伴うような運動はタバタ式トレーニングにあまり向いていません。

要は、「それを反復することで疲労困憊に達するまで追い込める運動であるか?」というのが重要になってくるんですね。

また、運動時に使われる筋量と、その“運動における最大酸素摂取量は関係が深い”ということが明らかになっているので、なるべく大きな筋肉=つまり下肢を動員できる内容になっていることも重要となります。

わかりやすい例でいえば、ダッシュや固定式自転車の全力漕ぎのような動きがそれにあたりますね!

ただ、20秒間ダッシュができるぐらいの広いスペースというのはなかなかないものですし、フィットネスクラブで置いてある通常の固定式自転車(エアロバイク)では、全力漕ぎのように回転数を上げることができないので、できれば広いスペースや専用のマシンを必要とすることなく行えるものが望ましいですよね。

多くの筋量が動員できるという点では、バーベルを担いだスクワットやデッドリフトなども候補として思い浮かびますが、実はこういった従来の筋肥大を目的としたレジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)では、運動中の最大酸素摂取量というのはあまり高くはなりません。

これは例えば自重の腕立て伏せなども同じです!

必ずしも、キツイからといってそれが運動時の最大酸素摂取量にも比例するというわけではないんですね。

 

タバタ式トレーニングで行うのに適したエクササイズ種目を動画で6つ紹介!

少し前置きが長くなってしまいましたが、ではダッシュや固定自転車の全力漕ぎ以外では、どのようなエクササイズをタバタ式トレーニングで行えばよいのか?

先ほども述べたように、運動時に使われる筋量とその運動における最大酸素摂取量は関係が深いということから、できれば下肢も含め全身の筋肉を複数動員できるようなエクササイズであることが望ましいです。

誰でもわかる運動の例として一つ挙げるのであれば、“バーピー”はタバタ式トレーニングのエクササイズとして適していると言えます。

1. バーピー

下半身含め全身を使いますし、実際にこれを全力で繰り返せば疲労困憊になるまで追い込むことができますよね。

他にもタバタ式トレーニングに適したエクササイズを、あと5つほど紹介してみたいと思います!

 

2. マウンテンクライマー

床に肩幅より少し広めに手を着き、膝を交互に前に出します!

身体がなるべく丸まらないように行うのと、膝が腕の外に出ないように注意しましょう。

ダイナミックに、リズミカルにを意識して素早く行っていきます!

 

3. スケーターズランジ

サイドに跳ぶと同時に、跳んだ方向と反対の脚を後ろに送り出して着地します!

この着地と同時に、跳んだ方向と反対の手を身体の前の床にタッチ!

これを左右交互に繰り返していきます!

 

4. スクワット&フロントキック

腰幅程度に脚を広げてスクワットを行い、立ち上がった反動の勢いそのままにフロントキックを行います!

立ち上がる時に、身体の軸がなるべくぶれないように注意しましょう。

動画では両手を繋いでいますが、繋がずに軽く握り拳を作って、胸の前辺りに構えておくような形でも大丈夫です。

脚は左右交互に、なるべく高く挙げていきましょう!

 

5. 仰向けキック

両手を肩幅より広めに床についてお尻を浮かせ、交互に脚を上に振り上げていきます!空中で足を入れ替えるような形になりますね。

見た目こそ地味ですが、これもかなりキツいトレーニングです!

 

6. ギャロップ&フロアタッチ

足を肩幅より広くとり、中腰の姿勢になって膝を軽く曲げ、スタートポジションを作ります!反復横跳びのスタート姿勢ですね!

右に小刻みにワン、ツー、スリーと素早く3つ移動したら、3つめの時に左手で床をタッチしながら切り返し、次は左にワン、ツー、スリーと移動し3つめに右手で床をタッチしながらまた切り返してこの動きを繰り返していきます!

 

これらは8セットを全て同じ種目で通して行ってもよいですし、1セット目(最初の20秒の運動)はバーピー、2セット目(2回目の20秒の運動)は仰向けキックというようにセットごとに種目を変えてもOKです!

全てのエクササイズに共通することですが、タバタ式トレーニングとして行う場合は、なるべく素早くそして全力で行うようにしていきましょう!

行う際のタイマーは、iphoneでは『Runtastic タバタ式トレーニングタイマー』というアプリが、Androidでは『Tabata Timer』というアプリが日本語ですしわかりやすいです。

他にもタバタ式トレーニングにて使える色々なエクササイズ方法を知りたいという方は、タバタ式トレーニングの考案者である田端泉先生の著書『究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング』にて、タバタ式トレーニングで行う上で推奨されるトレーニング方法が、ここに紹介しているもの含め全18種類ほどご本人から紹介されているので、よろしければご覧になってみて下さい!

タバタ式トレーニングは週何回ぐらいの頻度で行えばよいか?

タバタ式トレーニングは、田畑氏の著書によると週2回を3週間ほど行うことで最大酸素摂取量の向上がみられることが最近わかってきたと述べられており、6〜12週間ほど継続すれば十分な効果が望めるようです。

結構大変…とも思ってしまうかもしれませんが、週2回というと実質週に8分ということですから、タバタ式トレーニングは確かに効率の良いトレーニングであるということがわかりますよね。

ただ、すでに何度か述べてきていますが、あくまで全力で取り組まないと意味がなくなってしまうのでその辺りは注意が必要になります。

また田畑氏によると、アスリートであればオフシーズンなどの身体を作る時期に、もっと集中的に取り入れて行うのも推奨できるとのことです。

 

タバタ式トレーニングにダイエット、痩せる効果はある?

最後に、タバタ式トレーニングは一時期「最強4分間ダイエット!」といったような形でダイエットにも効果があるとメディアで取り上げられていた時期もありましたが、本当にダイエットにも効果があるのでしょうか?

これは田畑氏が自らの著書などでも答えていて、「タバタ式トレーニングを実践した人で体重が減ったという人も確かにいるが、短時間のトレーニングなので脂肪はそれほど燃焼せず、あくまで最大酸素摂取量を高めることで身体能力や持久力を向上させるためのトレーニング」だということが述べられています。

アスリートのためのトレーニングという印象を持ってしまう方もいるかもしれませんが、持久力は一般の方でもあったほうが身体が疲れにくくなりますし、最大酸素摂取量が高い人ほどインスリンの糖代謝能力(インスリン感受性)も高くなるということがわかっているので、糖尿病などの生活習慣病予防にも効果が期待できると言えるでしょう。

ただ非常に高い負荷で行うことを前提として作られたトレーニングなので、実際にタバタ式トレーニングを行うその際は、安全性を考えてウォーミングアップを済ませてから取り組むようにして下さい!

フィットネスジャンキーでした!

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