グルテンフリーと言えば、ダイエット法や健康法として数年前から耳にすることが増えてきた方法の一つですよね。
特に欧米諸国ではグルテンフリーの勢いは加熱していて、グルテンフリー専門のレストラン、パン屋などが増えてきており、有名チェーン店でもグルテンフリー化をするところが出てきたりと、その勢いは増してきているようです。
アメリカにおいては、ここ4年でグルテンフリーにしている人は3倍以上に増えており、2013年には『アメリカ人の30%近くが食事に含まれるグルテンの量を減らす努力をしている』という報告もあるぐらいです。
ご存じの方も多いと思いますが、グルテンフリーという食事法は、世界トップクラスのテニスプレーヤーであるジョコビッチ選手が、この食事法を取り入れてからパフォーマンスが劇的に向上し、以降3つのグランドスラム大会を制覇、ランキングも世界一位に上り詰めることができたと自らの著書で語っていたこともあり、急速に認知を広めていきました。
日本でもこのグルテンフリーは芸能人の方が実践している食事法として紹介されているのをよく見掛けたりするものですが、まずこの『グルテン』とは一体何なのか?
糖質とも混同されることの多いグルテンですが、その違いについてまず最初に簡単に述べていきますね。
タップできるもくじ
グルテンとは何?糖質との違いは?
グルテンとは、小麦粉やライ麦、大麦やオーツ麦などに含まれている『タンパク質の一種』です。
人間の身体のエネルギーとなる栄養素は、タンパク質、炭水化物(糖質)、脂質の三大栄養素に分けられているので、タンパク質の一種であるグルテンは、糖質とは栄養素として根本的に別物ということになります。
このグルテンは、食べ物に粘り気と弾力を出す働きがあるので、パンや麺類などのモチモチとした美味しい食感を演出することに貢献しています。
また、シチューやカレーのルーのとろみ付けなんかにも使われているので、これらもグルテンの含む食べ物ということになりますね。
小麦粉、ライ麦、大麦、オーツ麦にグルテンは含まれているということで、=これらを使用した食べ物や料理は、グルテンフリーの実践時は食べれないということになります。
具体的にそれらの食べ物を以下にリストとして挙げてみますね。
グルテンフリー実践時に食べてはいけない食べ物リスト
パン・ライ麦パン・黒パン
ラーメン・パスタ・スパゲティ・うどん・そば・焼きそば(十割そばは除く)
シチューやカレー
唐揚げの衣(片栗粉を使用する場合は食べてOK)
天ぷらの衣
コロッケの衣
とんかつの衣
ハンバーグ
餃子・焼売・ワンタン
たこ焼き・明石焼き・お好み焼き
肉まんやあんまん類
ピザ
ナン
パンケーキ・ホットケーキ
ドーナツ・スコーン・マフィン・クッキー、その他焼き菓子やスナック菓子全般
ケーキ類のスポンジ部分(生クリームのみならOK)
コーンフレーク・シリアル
ビール・発泡酒
しょうゆ(小麦粉を使わず大豆、塩だけで作られたたまり醤油ならグルテンは含まれない)
ドレッシング・みりん風調味料・ケチャップ・各種ソース(メーカーによって原材料が異なるので、OKな場合もある。見分け方として、原材料の表示に『小麦』と書かれている場合はNGとなる。)
こうしてみてみると、結構多くの食べ物にグルテンが含まれているということがわかりますよね。
グルテンが含まれている食べ物には、糖質が多く含まれているということも多いので、糖質制限中でNGな食べ物とグルテンフリー中にNGな食べ物は被っている部分も多いですが、やはり全く同じということはなく両者には明確な違いがあります。
例えば、ごはんやお餅は小麦粉等を使ってないので、グルテンフリーでは食べてOKですが、含まれている糖質量はすごく多いので糖質制限中は抑えるかほとんど食べることは出来ません。
グルテンフリーのルールではOKで、糖質制限ではNGな主な食べ物も載せてみますね。
グルテンフリーでは食べてOKだけど、糖質制限時では食べてはいけない食べ物
ごはん類
お餅
じゃがいも・さつまいも
団子・大福
プリン
チョコレート
コーンやワッフルなしのアイスクリーム
糖質の多い果物(ぶどう・柿・バナナ・りんご・マンゴー・ドライフルーツ等)
糖質の多い根菜類(れんこん、ニンジン、ごぼうなど)
これらの食べ物は、含まれている糖質の量がどれも多いので、糖質制限中はNGですが、グルテンは含まれていないのでグルテンフリー時は食べても何ら問題はないんですね。
逆にからあげやとんかつなどの揚げ物やハンバーグ、つくねや麦味噌、あわせ味噌や醤油などの調味料はグルテンが含まれるので、グルテンフリーではNG食品ですが、含まれている糖質量は少ないので糖質制限では食べても大丈夫です。
(※ちなみにグルテンフリーのパンや麺などもよく出ていますが、こういった食品は原材料として小麦の代わりにじゃがいも粉、米粉、玄米粉、とうもろこし粉などを使用しています。このような代替食品はグルテンこそ含まないものの、糖質の量は普通に小麦粉を使用してるパンや麺よりも同等か、むしろ多いぐらい糖質の量が含まれているので糖質制限的にはNG食品ということになります)
糖質制限中に食べてもいい食べ物&食べちゃいけない食べ物は、『糖質制限ダイエットの効果、メリットとデメリット、やり方を徹底解説!』という記事にて詳しく解説しているので、そちらもぜひ参考にしてみて下さい。
グルテンフリーは本当にダイエットや健康効果がある?結論
少し前置きが長くなりましたが、本題の『グルテンフリーには本当にダイエットや健康効果があるのか?』
グルテンフリーの食事法を推奨する意見では、グルテンは肥満やメタボリックシンドローム、循環器疾患のリスクを上昇させるというように言われてきました。
これはマウスの実験にて、グルテンを投与することで腸管に炎症ができたり、マウスの食事中のグルテンを制限することで糖尿病を予防することができた、ということなどが、そういったグルテンフリーを推奨する意見の背景となっているようです。
しかし結論から言うと、グルテンフリーで健康になれる、ダイエット効果があるというエビデンスというのはありません。
2017年に英国医師会雑誌にて発表された、最新の研究においては、グルテンの摂取量と冠動脈疾患の発生率には関係がないということが明らかになっています。
この研究は、米国の男女医療従事者約11万人を26年間に渡って追跡調査した食事データを分析したもので、グルテンを日頃多く摂取している人と、少ししか摂取していない人の間で冠動脈疾患の発症リスクに差はないと結論付けられています。
前述した、英国医師会雑誌という国際的に権威のある雑誌に載せられているもので、規模も非常に大きいので、この研究の信ぴょう性は高いといえるでしょう。
また、グルテンフリーで時折耳にする『ダイエット効果』ですが、これも明確なエビデンスというのは得られていないようです。
これではジョコビッチ選手の話は嘘だったのか…という解釈にもなってしまいかねませんが、彼の場合は特例のケースと言うことができそうです。
ジョコビッチ選手の場合は、あらゆるアレルギーや不耐性がわかる「ELISAテスト」という血液検査を受けたところ、グルテンを摂取することで腹痛や慢性の下痢などの症状を生じてしまう「セリアック病」という自己免疫疾患を抱えていたことが発覚していたとのこと。
つまりグルテンフリーにすることで疾患による不調が解消され、実際にパフォーマンスを上げることに繋がったということですね。
このセリアック病は、欧米では人口の0.5〜1.0%の人が罹患していて決して珍しい病気ではないようですが、日本人においては罹患率0.05%とかなりまれな病気であると考えられているようです。
セリアック病は、軽い症状では「グルテン過敏症」や「グルテン不耐症」と呼ばれ、グルテンを含む食べ物を摂取するとお腹の張りや下痢などの症状が出るといったことがあるようですね。
セリアック病やグルテン不耐症でない限り、グルテンフリーにする必要はないかも
最新の研究で、一つの結論が出ていることから考えても、食事をグルテンフリーにするメリットというのはあまりないかもしれません。
先ほどの研究論文では、セリアック病ではない人がグルテンの摂取量を制限すると、健康の維持に必要な一部の栄養素が不足することがあるため、推奨できないということも結論と共に述べられています。
それでもグルテンフリーに興味のある方は、こういった研究結果が出ているということを踏まえた上で、実際に取り入れてみるかどうかを検討してみて下さい!
フィットネスジャンキーでした!
関連記事:オーガニック食品や野菜は本当に健康効果や栄養価が高いのか?