出典:https://www.instagram.com/p/BZJWSFPAifW/?taken-by=k1takeru
「日本人で今一番人気のある格闘家」が誰であるかご存じでしょうか?
おそらくそれは、“新生K-1”フェザー級王者の武尊選手がそれにあたるのではないかと思います。
(ちなみに新生K-1とは、魔裟斗選手などが活躍していた頃のK-1を運営している会社が財政難により破産してしまい、別会社により2014年から設立された「K-1実行委員会」という組織が大会運営をしていることからそう呼ばれています)
何故ならTwitter、Instagramを合わせた総フォロワー数がボクシング、K-1、総合格闘技の選手の中で比べたところ、一番総フォロワー数の多い選手が武尊選手だからです。
今回は、そんな新生K-1の武尊選手の人気の秘密に迫ってみたいと思います!
武尊選手はなぜ、今の日本の格闘家で一番人気があるのか?
武尊選手は、なぜ一回下火になってしまったK-1人気の中で、一人だけ突出した人気を得られるようになったのでしょうか?
それは、単にルックスが爽やかで女性ファンが多いからというだけではないということは、コアな格闘技ファンの方なら理解しているのではないかと思います。
武尊選手がK-1に初参戦したのは、2014年の9月。当時、“神興行”を連発していたキックボクシング団体「Krush」の58kg級王者という実績を引っさげて参戦を果たしました。
ここまでの対戦成績も16戦15勝と申し分なく、当時から激しい試合をするKrushの選手のその中でも、ひときわ攻撃性の強い凶暴な選手として注目を集めていました。
そしてK-1初参戦となる試合では、「魔裟斗2世」と言われていたHIROYA選手の弟である大雅選手と対戦します。
兄以上の実力と才能と目され、9戦9勝の負け知らず、そしてKrushの55kg級王者、つまり同じ団体の王者対決です。
激しい試合になることはもちろん予想されていましたが、この一戦で武尊選手はk-1初参戦をインパクトづけるには十分すぎるぐらいの衝撃的なフィニッシュで試合を終わらせ、その注目を加速させていきます。
武尊VS大雅 フィニッシュシーン動画
この試合のわずか5カ月後に、両者は正式にK-1フェザー級の初代王者を決めるためのワンデイトーナメントでお互い勝ち上がり、再び相まみえることになります。
ワンデイトーナメントの決勝なので、すでに同じ日に二人とも2試合勝利した後でだいぶ疲弊しているであろうにも関わらず、両者は第一戦以上の鬼気迫る激しい打ち合いを展開します。
この試合は、武尊選手のK-1の試合の中でもベストバウト級に盛り上がりをみせた試合と言ってもよいのではないでしょうか。
武尊VS大雅 初代-55kg王座決定トーナメント決勝戦
Krush時代からK-1と、熱戦に次ぐ熱戦を繰り返し、激しい生存競争を勝ち抜いてk-1初代フェザー級王者に輝いたことで、格闘技ファンの間ではすでに知られている存在となっていた武尊選手ですが、この時点では世間的な認知度はまだまだ低かったと思います。
その後もk-1のリングでKO勝ちを重ねていくにつれ、徐々に認知され始める武尊選手ですが、一般的にも知名度を広げていく上で大きな一戦となったのが、去年の小澤海斗選手戦です。
この対戦は、試合前の会見で因縁をふっかけた小澤選手が武尊選手と乱闘騒ぎを起こしたことがネットニュースなどでもたちまち話題となり、その会見のyoutube動画が試合前に120万回以上視聴されるなど、結果的に新生k-1がスタートして以来、最も注目を集める試合となったのです。
武尊VS小澤海斗戦
この試合の勝利後の取材でわかったことですが、実は武尊選手はこの1週間前のスパーリングで肋骨を2本骨折していた状態にも関わらず、「挑発された相手から直前で欠場して逃げたと思われるのが嫌だった」という理由から、試合直前に何と“5本も痛み止めを打って”出場していたそうです。
試合からは全くそのような素振りはみえませんでしたが、やはりこの“気持ちの強さ”こそが武尊選手の最大の強さの所以であることは間違いないと言えるでしょう。
本人も「どれだけテクニック、パワー、スピードが負けてたとしても気持ちで勝っていれば誰にでも勝てると思ってるんで」と述べていたことがありましたが、まさにその言葉を彷彿とさせるようなエピソードですよね。
そしてこの試合からわずか4カ月後、武尊選手は前年のフェザー級トーナメントから2.5kg体重を上げた階級の、初代スーパーフェザー級ワンデイトーナメントでも、1日3試合の過酷な戦いを、全員からダウンを奪って勝ち抜き2階級のトーナメント王者に輝きます。
そのトーナメントでも特に熱戦だったのが、トーナメント2戦目のユン・チー選手戦ではないでしょうか。
初代フェザー級トーナメント2回戦 武尊VS ユン・チー
トーナメント1回戦で足の甲にヒビが入ってしまっていた武尊選手ですが、やはりそれをおして2回戦に進み、この試合では右拳を骨折するも2R、パンチの連打でKO勝利。
3戦目はトーナメントの反対ブロックを勝ち抜いた小澤海斗選手との再戦になり、右拳の骨折と足の甲のヒビという怪我を抱えながらも2度のダウンを奪って圧勝し、見事優勝を果たしました。
トーナメント終了後は、肩の筋肉の筋断裂、ふくらはぎの肉離れ、前述した骨折…と全身怪我だらけだったそうで、医者に「交通事故にあったみたいだ」とまで言われるほどの満身創痍の状態だったとのこと。
こうして激しい試合を経て、現在も勝ち星を重ね続けることで(現在32戦31勝)リング外の活躍も多くなってきている武尊選手は、練習とメディア出演の両輪をこなし、現在ではかなりタイトなスケジュールを送っているようです。
プライベートの時間は全くないようで、1年以上お酒も全く口にせず、コンディションを保つためにも小麦を含むもの(麺、パンなど)も食べなくなったといいます。
新生K-1の選手の中でも、1番体を張ってきてしのぎの削り合いを勝ち残り、娯楽やプライベートの時間も全て捨てて格闘技に捧げてきた、『正真正銘の叩き上げ』という裏付けがある武尊選手だからこそ、今の格闘技不人気の時代の中でも注目を集められる存在になり得たと言えるのではないでしょうか。
注目される那須川天心選手との試合は実現されるのか?
比嘉大吾と井岡一翔の統一戦観たい。。村田諒太ゴロフキン戦とセットで観れたらすげえいいエンターテイメントだなあ。。あと観たいのはやっぱり武尊と那須川天心。。あと青木真也とクロングレイシー総合ルールで一戦観たい。。
— 武井壮 (@sosotakei) 2017年10月24日
さて、武尊選手の話題に触れるならばやはり避けては通れないのが那須川天心選手との一戦になります。
那須川天心選手は若干19歳にして『キックボクシング史上最高傑作』といわれるほどの強さを誇り、プロキックボクシングの戦績は19戦19勝負けなし、生涯で一度もダウン経験すらないという異次元クラスの怪物です。
日本の格闘技史上でも、かつてこれほどまでの才能を持った選手というのはいなかったのではないか…そう思わせるぐらいの圧倒的な強さを持っている選手です。
そんな那須川天心選手と武尊選手が戦ったら、一体どんな試合になるのか?
両者の試合はK-1の運営サイドと那須川天心選手の出ているキックボクシング団体の不仲という“大人の事情”から実現していませんが、もし実現することができれば近年の格闘技界でもなかった究極の“キラーカード”になることは間違いありません。
どちらが勝つかは全く予想ができませんが、お互いにとって歴代最強の相手になるだろうこの試合は、相当な激戦になるということだけは想像ができます。
これからの武尊選手の活躍、そして那須川天心選手戦が実現するのか?ということにも注目していきたいですね!
それではフィットネスジャンキーでした!
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