こんにちは!フィットネスジャンキーです!
近年姿勢改善や、お腹を引き締めるのに重要とされ、メディアで取り上げられている機会が増えている「腸腰筋」という筋肉を聞いたことがあるでしょうか?
この腸腰筋は、背骨から骨盤をまたいで太ももの骨の内側についている「大腰筋」という筋肉と、骨盤から太ももの骨の内側に向かってついている「腸骨筋」という筋肉からなり、上半身から下半身に繋がっている唯一の筋肉でもあります。
どのような筋肉かイメージしやすくするためにも、腸腰筋の図を載せておきますね。
腸腰筋の図
本当はこの他にも小腰筋という筋肉があるのですが、小腰筋は非常に小さい筋肉で半分以上の人にはないと言われているので、基本的にはこの大腰筋、腸骨筋から腸腰筋は構成されていると覚えておきましょう。
図を見てみると大腰筋も腸骨筋も、大腿骨の内側に向かっていって付着しているのがわかると思います。
これらの筋肉から成る腸腰筋は、深層部にあることから“深部腹筋”とも言われ、俗にいうインナーマッスルというものに区分けされている筋肉です。
この腸腰筋は、骨盤の傾きに大きく関与している筋肉なので良い姿勢を形作る上でも欠かせない筋肉でもあります。
腸腰筋は骨盤の傾き、姿勢に大きく関連する
腸腰筋という筋肉は主に、脚を挙げる時(股関節の屈曲)に使われる筋肉です。
その場で直立した状態で、片方の膝をある程度高く上げて立っていると、上げている方の脚の付け根辺りが疲れてくると思うのですが、その疲れている部分が腸腰筋ということになります。実際に使われているということですね!
また、この腸腰筋は骨盤を前に前傾させて、腰椎(腰の骨)の前への反りを保つという役割も担っています。なので逆に言えばこの筋肉の衰えというのは、骨盤を後ろに傾かせてしまう一つの要因にもなってしまうんですね。
骨盤というものは前に少し前傾しているのが理想的な状態なのですが、多くの方が後ろに後傾し、その影響を受けて、全体的に背骨が丸まってしまう、そして上体が猫背になってしまっているパターンの人というのは日本人に非常によく見られがちな姿勢です!
この骨盤の後傾は猫背だけでなく、お尻も下がってしまったりと外見的にも良い影響をおよぼしません。
なので姿勢を良くする上で骨盤の傾きをわずかに前傾させるために、腸腰筋をしっかりトレーニングするというのはとても大事になってきます。
ちなみにこの腸腰筋、黒人は日本人よりも3倍も太いという研究報告があるようです。
確かに黒人にあまり猫背体型は見当たらないし、ももを上げる時に使われるこの腸腰筋が発達している黒人が、短距離走のトップクラスを独占しているというのは納得できます。実際100m走の記録と腸腰筋の太さには相関があるというデータも出ているようです。
また脚を大きくスイングして、ボールに強いインパクトを与えるサッカー選手も腸腰筋が発達しているという報告があるとのことです。
腸腰筋のトレーニングはウエストを引き締め、姿勢を改善する!
東京大学教授の石井直方氏の文章をお借りさせて頂くと、腸腰筋のトレーニングを行っていくことによって得られた効果というのを確認することが出来ます。(下記文章)
まだ断片的なデータの寄せ集めですが,姿勢に問題があった25~36歳の女性11名についての例をご紹介します。
「足踏み」,「骨盤引き上げ」,「レッグレイズ」の3種目のエクササイズを1日置きに行ってもらったところ,すべての方が,2週間でほぼ完全に上記の理想的な姿勢になりました。
平均の数値でみた場合,最も顕著に変化したのはウエストサイズで,2週間で95.9%に,1ヶ月で93.6%になりました。
一方,体重は2週間で97.9%,1ヶ月で96.3%,体脂肪率は2週間で99.1%,1ヶ月で93.3%になりました。(いずれも初期値を100%)
このことから,最初の2週間では,体重や体脂肪率はあまり変化することなく,主に姿勢が改善されることにより,見た目にもスタイルが良くなることがわかります。こうした変化が起こると,日常の動作なども改善され,やがて体脂肪そのものが減るという相乗効果をもたらすものと考えられます。
このように実験からは姿勢改善、ウエストサイズ、体脂肪の減少効果が見られたということがわかっています。
また、現在骨盤が後傾してしまっている状態なら、正しい角度、つまりわずかに前傾した状態に修正されたときのヒップアップ効果も期待できるので、腸腰筋のエクササイズはヒップアップ効果も合わせて紹介されることが多いです。
それでは動画を交えて腸腰筋のトレーニングを紹介していきたいと思います!
腸腰筋を鍛えるのに効果的な2つのトレーニング
レッグレイズ
腸腰筋のエクササイズで代表的なものと言えばこのレッグレイズ!強度も高いですが、腸腰筋には一番効くエクササイズといっても良いでしょう!
動画のように、お尻の下に手を敷くことで強度を下げることが出来ます。脚を下ろす時は重力に任せて脱力するのではなく、しっかり脚の重さを感じてコントロールしながら下ろすようにしていきましょう!下っ腹、脚の付け根あたりが疲れている感覚があればOKです。
20回×3セット出来るのを目標にして、出来たら1セットの回数を30回まで増やせるようにしましょう。 次は少し優しめのエクササイズも紹介します!
ニーレイズ
これは膝を90度に曲げた状態で行うタイプのニーレイズという種目になりますね。レッグレイズがきつくて行うのが困難だった方や、腰に強いストレスを感じた方などはこちらの方を行ってみてください!
もしベッドなど、段差を利用できるものがあれば利用して、両足をもっと低く降ろせる状態を作れば腸腰筋をさらに刺激しやすくなります。 こちらも20回×3セットを目標にして行ってみましょう!
代謝が大きく、加齢とともに衰えやすい腸腰筋
腸腰筋は数ある筋肉の中でも、代謝が大きく加齢とともに衰えやすい筋肉でもあるため、鍛える重要性は十分にあります。
他に代謝が大きく、かつ衰えやすい筋肉というと、腹直筋(お腹の6つに割れている部分)、広背筋、大臀筋(お尻の筋肉)、大腿四頭筋などがあります。
食事で摂ったカロリーを燃焼してくれる貢献度の高い筋肉は、特に衰えていってほしくないものですよね!
例えば、脚は昔より張りがなくなった、細くなったのにお腹は出てきた…などのような変化が自分にあれば、まさに筋肉が衰えて代謝が落ちてきている証拠と言えます。
これらの筋肉を日頃からしっかりトレーニングして太りづらく、動ける身体をキープしていきましょう!
それではフィットネスジャンキーでした!