こんにちは!フィットネスジャンキーです!
年末になると、日本の風物詩的イベントでもある大晦日の格闘技の話題もニュースに流れ始めてきますが、日本の海を超えた海外でも、今大変な活躍をして格闘技界のイノベーションの渦中となっているような存在の選手がいるのをご存知でしょうか??
以前の記事でも紹介した、”THE NOTNRIOUS”(悪名高い)ことアイルランド出身の「コナー・マクレガー」です。
コナー・マクレガーは、先日行われたUFCのNY進出となる重要な記念大会のメインで、ライト級王者のエディ・アルバレス相手に、指一本触れさせないかのような圧倒的な試合内容でKO勝ちし、UFC初の同時2階級王者(フェザー級&ライト級)に輝きました。
このNY進出の記念大会は、「マクレガー効果」で会場のチケット料金もうなぎのぼりに膨れ上がり、1999年のレノックス・ルイスvsイベンダー・ホリーフィールドのボクシング興行時に打ち立てられた、格闘技の聖地マジソン・スクエアガーデン会場の興行収入記録を、17年ぶりに更新しています。
いまやマクレガーは大会に出場するその度に、UFCのこれまでの会場の観客数やチケット収入、有料番組購入者数(ペイパービュー)などのあらゆるレコードを次々に塗り替えていき、更に求心力を増していっている渦中にある特別な存在とも言える選手なんですね。
そんな神懸かり的な躍進劇を体現するマクレガーの強さは、一体どのようにして生み出されたのでしょうか??
muscle&fitnessでは、マクレガーの打撃コーチを10年以上務める、オーウェン・ローディにその強さの秘密をインタビューしていました。
コナー・マクレガーの打撃コーチに聞く「何故マクレガーは強いのか?」
以下は抄訳部分になります。
■コナー・マクレガーの第一印象を教えてください。
ロディコーチ: コナーが私たちのジムに来た当時、メンバーの多くは打撃が特に強くはない選手ばかりだった。打撃が本当に強いというのは一人もいなかったんだ。
コナーが来た時、彼は信じられないほどのパワーがありタイミングも非常に良い事がみてとれた。そしてすぐに彼は何か非凡なものを持っていると思った。彼はジムに来た初日から常に自信に溢れていたよ。その点においては、彼はあまり変わっていないね。彼はテレビ用にキャラクターを作っているのだと言う人もいるが、そうじゃないんだ。彼は常に自分の信念を持っている。
こうしたことが、彼が本当に偉大な格闘家となるための素養としてすでに持っていたのだと思う。
■コナーはもう10年間選手として活躍していますが、あとどのくらい現役を続行できるでしょうか?
私はいつも言っているが、「あと何年」ではなく、「あと何回アゴにパンチを受けたら」と考えるべきだと思う。
コナーはこれまでのキャリアで、アゴにクリーンヒットさせられたことは少ないし、深刻なダメージというのは受けていない。
この10〜12年間同様に今後も続けるのであれば、40歳までリングに上がっていることもあり得ると思う。
■コナーは、どのくらいの頻度で打撃のトレーニングをしているんですか?
キャンプ中はほとんど毎日だよ。そして30分間ほど集中して打撃に磨きをかけるトレーニングをしている。何度も何度も、とにかく繰り返し打撃練習を行う。
「1万種類のキックを1回ずつ練習した人は怖くないが、1つのキックを1万回練習した人は怖い」というブルース・リーの残した言葉がある。コナーにはすべての対戦相手に見舞ってきたセットショットがあるが、これは私たちと共に非常に長い時間をかけて磨き上げてきたものだ。
(補足:マクレガーは尊敬している格闘家にブルース・リー、ヒクソン・グレイシー、モハメド・アリの名前を挙げています。過去のインタビューでは、「ブルースはあらゆることに適応していた」、「ブルースは一歩先をいっていた」という言葉を残しており、実際にブルース・リーの過去の格闘技の試合動画をみると構えなどみても少し似ているようにみえます。)
マクレガーと似ている?ブルース・リーの過去の格闘技試合動画
■コナーの打撃のフットワークはどうですか?
コナーのフットワークの動きは微細だからあまり気付かれないが、ベストなフットワークを持つ選手の1人だ。
彼はいつでも自分の進路を完璧に保っている。その点ではフロイド・メイウェザーが一番上手く、流れるような動きでパンチに繋げるよね。コナーもそれが得意なタイプだ。
■ボクサーや格闘家はなぜ縄跳びをするのですか?
身体の協調性やタイミングが向上するし、足のこなしが軽くなる。素早く安定した動きのためには、体重を平衡に、瞬きのような素早さで移動させることが必要なんだ。その重要性はあまり知られていないけどね。
■コナーとトレーニングするようになって以来、トレーニング方法は変化しましたか?
私たちが一緒に練習に取り組むようになった時、コナーはボクシングをかじった程度だったが、パワーは今と同様強かった。
当時彼はテイクダウンされやすく、すぐに組み伏せられがちだった。とにかく抵抗して全てを試みるんだけれども、グラウンドで必要なスキルが何もない状態だったんだ。
彼は新しいことを取り入れようとするマインドを常に持っているので、自分の弱点を知り、テイクダウンされない方法に取り組み、そして柔術を始めた。柔術はどうしてもコナーに必要な技術だったからね。
コナーは6〜7年前くらいには、柔術を楽しく感じられるようになっていて、柔術着も着て練習するようになった。
■その方針はまだ続いていますか?
私たちは全てを試している。いつでも改善の余地はあるものだ。私たちは常に新たなスキルを加えようとしている。試合前のキャンプでは相手を倒すこと、パンチを叩き込むことに特に集中している。
■コナー・マクレガーのワークアウトについて教えてください。
あえて言うなら「コナー・マクレガーワークアウト」のようなものは存在しない。
コナーのようなパンチを得たいのであれば彼のパンチを観察し、彼の身体の動きを観察し、スローでも何回も確認して頭をどのように引くかを観ることかな。
誰もがこの罠にかかるが、彼が引いて「デッドスペース」を作り、そしてそこにパンチを打ち込むんだ。本当にこれという魔法の練習法というのはないんだよ。
■コナーはヨガをしていますか?
コナーはストレッチ系の動きをたくさん行っているね。特定のヨガをしているわけではないけれども、ヨガやピラティス、その他のあらゆる動きの要素を取り入れている。
だが、こうした動きを発見する前でも、彼は柔軟性や敏捷性を高める動きを見つけ、身体が不快に感じるポジションを見つけ、そこからストレッチを始めるというようなことをしていたよ。
■コナーのトレーニングを10年担当しているわけですが、お互いイラつくようなことはありますか?
いや、そんなことはないよ。お互いを本当によく知っているので上手くいっているし、お互いの良いところを引き出すことができる。私は彼が何を好むか知っているし、彼も私の狙いを理解してくれている。
■ヒートアップするのはどんな時ですか?
コナーが不機嫌になるのは、例えばみんなが疲れていて腹が減っているような空気が悪い時ぐらいで、ほとんどいつも彼は人生を心から楽しんでいるよ。
■コナー・マクレガーのような選手はまた現れるでしょうか?
コナーのような選手が再び現れることはないと思う。彼は全てを備えていて特別なんだ。その世代のファイターにとって唯一の本当に特別な存在になるはずだ。モハメド・アリのような存在になると思っている。
総合格闘技の歴史を変えたコナー・マクレガー
最近海外のMMA(総合格闘技)サイトを見ると、「BC」という業界用語的な言葉がとみに使われるようになってきているのですが、これは本来の“B”efore “C”hirist(ビフォー・キリストでキリスト生誕前の紀元前を指す)という言葉を、“B”efore “C”onorでもじった意味合いを持ちます。
つまり、キリストの生誕となぞらえてマクレガーがUFCに登場した2013年を分岐点に、MMAの歴史が変わったとまで海外記者達に評されているんですね。
MMAの歴史上、最高のスーパースターとなったコナーマクレガーはこれから一体どのようなストーリーを繰り広げていくことになるのでしょうか?
これからもその動向に注目していきたいと思います!
それではフィットネスジャンキーでした!
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