「日本の歴史上最も偉大なアスリートは誰だと思いますか?」
こう問われたら、恐らく日本国民の票を一番多く集めるのは、
ご存知のとおりイチロー選手は今年、
そんな中、イチロー選手がオリックス時代から現在に至るまで続けている“あるトレーニング”についても、再び多くのメディアから脚光が浴びせられました。
このトレーニングこそが、今回のタイトルにある『初動負荷トレーニング』というものですね。
この『初動負荷トレーニング』とは一体どのようなトレーニングなのでしょうか?
イチローがオリックス時代から現在も続けている初動負荷トレーニングとは?
初動負荷トレーニングは、(株)ワールドエンタープライズ代表でスポーツトレーナーである小山裕史氏が1994年に創案した、専用のマシンを使って行う日本生まれのトレーニング方法になります。
イチロー選手以外では、50歳まで現役を続けて去年に引退した山本昌選手、ゴルファーの青木功選手やテニスの杉山愛選手、スキージャンプの船木和喜選手が取り入れているトレーニングとしてたびたび注目を集めています。
初動負荷トレーニングについて検索をすると、多くのサイトで「動作の最初に負荷をかけるトレーニング」という説明を見かけることが出来ますが、創案した小山裕史氏自身が「動作の最初に負荷をかけるトレーニングではない」ということを話しています。(違法アップロードなので直接リンクを貼ることは出来ませんが、youtubeで「初動負荷トレーニング」と検索すると、「イチローが実践する初動負荷トレーニングを小山トレーナーが解説」という動画でミヤネ屋にて説明をしています)
そもそも動作の最初に負荷をかけるのが初動負荷トレーニングというのであれば、従来のスポーツジムに置いてあるマシントレーニングでも、動作の最初から負荷はかかるので初動負荷トレーニングということになってしまいますよね笑
実際に僕も初動負荷トレーニングのジムでマシンを使って体験させていただいたことがあるのですが、おこなってみると従来の筋トレマシンとは全く作りが異なったものでした。
初動負荷トレーニングマシンと従来のトレーニングマシンの違いとは?
instagramで初動負荷トレーニングで検索すると、いくつか画像が挙げられていたので拝借させていただきますが、例えば内転筋(内ももの筋肉)を鍛えるヒップアダクション(又はインナーサイともいう)に似たマシンがあるのですが…
従来の内転筋を鍛えるヒップアダクションマシンでは、脚を開いた状態から脚を閉じていく時に設定した重りの負荷が発生して、脚を開閉している時には常に重りによる負荷がかかって内転筋を鍛えていく仕様になっていますが、初動負荷トレーニングのマシンは、“脚を閉じていく時は負荷は発生せず、脚を開いた元のポジションに戻る時だけ設定した重りによる負荷が発生する”仕様になっています。
これは他の初動負荷マシンも同じで、レッグプレス、チェストプレスに似ているマシンもあるのですが、これらも両足、両手で押している時は設定した重りによる負荷は発生せず、押した後の戻している時だけ設定した負荷が発生し、ラットプルダウンのように上から下に引く動作から始まるマシンは、下に引く時ではなく、上に戻した時だけ負荷が発生します。
初動負荷トレーニングのマシンは全部で30種類以上ありますが、この「動作を戻している時にだけ設定した重りによる負荷が発生する」というのが全てのマシンに共通していることであり、従来のマシンと一番大きく異なっている点と言えるでしょう。
後は初動負荷トレーニングのマシンを行っている動画も挙げられていたので、そちらも参照させていただきながら紹介していきますね。
従来のマシントレーニングは、軌道がほぼ一直線に近い形になっていてグリップの部分も動きませんが、こちらの初動負荷マシンでは肩甲骨を大きく回して円を描くような軌道になっていますし、手元を見ていただければわかるように、グリップが動くようになっていて手も回旋させていますよね。
また筋肉に効かせるようにゆっくり行うのではなく、速くリズミカルに行っているのも特徴的です。
(こちらも踵の部分をよく見るとわかるのですが、ペダルの部分が若干上下に可動するようになっており、膝関節の曲げ伸ばしだけでなく、足首の関節にも僅かに曲げ伸ばしが起こるようになっていますね)
初動負荷トレーニングを実際に体験して
僕がマシンを体験させて頂いた時も、トレーナーの方に「動作中の切り返しを特に意識して、できればリズミカルに行うこと」、そして動画のように肩甲骨を使うマシンは「出来る範囲で大きく肩甲骨を動かしていくこと」というように案内して頂きました。
行っている時の感覚としては、筋トレをしているというよりも反動を使った“バリスティックストレッチ”や“ダイナミックストレッチ”を行っている時の感覚にも少し似ているものがあったかもしれません。
正直トレーニングをしている最中は、従来通りのマシンやフリーウエイトを使用しての筋トレほど“やっている感”というのはあまりありませんでしたし、「これ本当に意味があるのかな?笑」とも思ってしまったのですが、翌日の仕事や電車移動などの時に体が軽く動きやすかったという実感が確かにあったのを覚えています。
初動負荷トレーニングマシンを実際に体験してみたい方や、施設に入会してトレーニングとして取り入れていきたい場合は、全国に現在19店舗展開しているワールドウィングというスポーツジムにてトレーニングを受けることができます。
初動負荷トレーニングの理論というのは、明確なエビデンス(臨床結果などの科学的根拠)がありませんし、懐疑的にみている専門家の方も多いということは事実としてあるのですが、自分の身体の感覚というものに対して人一倍も二倍もアンテナを張り巡らせ続けているイチロー選手が、自宅のトレーニング施設の設置のみならず、キャンプ地にトラックでマシンを輸送させるほどのこだわりをみせているとあれば、何も意味がないとはどうしても思えませんよね。
細かい理屈や、科学的根拠以上の何かが存在しているのかもしれません。
追記:ダルビッシュ選手も最近では初動負荷トレーニングを行っているらしく、実際に登板前に行って調子良く投げれたと語る、3種類の股関節トレーニングの動画を自身のyoutubeチャンネルにアップしていました。
最後に、イチロー選手の普段からのトレーニングへのストイックぶりがよく伝わるエピソードを紹介したいと思います。
ピート・ローズ氏(75)の安打記録を抜いた3日後の6月19 日、マイアミのイチロー宅に招かれた稲葉篤紀氏(43)は、こう振り返る。
3時間ほどの宴は、驚きの連続だった。夕刻に始まった祝いの席ではワインを空け、大いに盛り上がったが……。
「夜9時過ぎでしたかね、いきなり、『稲葉さん、ちょっと失礼してトレーニングしてきます』ですからね(笑)。隣の部屋に数台のトレーニングマシンがあって、1時間半ぐらい黙々と。もう四六時中、野球のことを考えている」
出典:http://news.livedoor.com/article/detail/11756828/
今月の誕生日で43歳の誕生日を迎えるイチロー選手は、関係者が一様に「全く体の衰えがみられない」と口を揃えている様ですが、このような日々の徹底的なケアのたまものということは間違いありませんよね。
来シーズンのイチロー選手にも期待したいと思います!
それではフィットネスジャンキーでした!