栄養&食

アルコールはダイエットや肉体改造に悪影響を与えるか?

酔いつぶれた男性

こんにちは!フィットネスジャンキーです!

ダイエットや肉体改造中に、お酒はなるべく飲まない方が良いというのは誰もが知っていることだと思いますが、そのほとんどの方の認識として「摂取するカロリー量が増えるから」という理由があると思います。

しかし飲むお酒がもし低カロリーのものであったとしても、お酒を飲むこと自体がやはりダイエットや肉体改造にとってあまり都合の良いものではないのかもしれません。

米国のサイト、bodubuilding.comではお酒に含まれる“アルコール”がどのように体型に影響を与えるかについての記事を掲載していました。

アルコールはダイエットや肉体改造に悪影響を与えるか?

以下は翻訳部分になります。


 

ダイエットをしている人に限らず、筋トレやスポーツをしている人でもお酒が好きな方はもちろん沢山いると思います。

単純にカロリー摂取量が増えるという意味で、お酒を頻繁に飲むことは好ましくありませんが、

アルコールは脂肪減少を抑制するのでしょうか?「ビール腹」とは何でしょうか。アルコールが体型に与える影響について知りましょう。

中学校の体育の授業で、アルコールは神経中枢システムに働く抑性物質で、飲めば酔っ払い、悪い事ばかりだ、と習ったかもしれません。

あなたはおそらくその後の人生で、アルコールは自信をもたらし、リラックスさせ、そして飲めば素晴らしいダンサーになれる(!)ということも学んだはずです。しかし、そこで話は終わりではありません。

飲めば気持ちが大きくなり楽しい時間が過ごせますが、長期にわたる過度の飲酒は肝臓への負担やアルコール依存といった重大な健康上の問題を引き起こしかねないことは知っておかなければなりません。

さらには、お腹周りのサイズを気にしているのであれば、1グラムあたり7カロリーもあるアルコールは脂肪蓄積を促進し、身体の組成に破壊的な影響を与えます。

言い方を変えると、身体を作り上げることを望んでいるのなら、ビールは好ましいものではないということです。でもそれはもうきっとご存知でしょう。

あなたが知る必要があるのは、アルコールが身体の中でどのように働いているのかということ、そしてそれが脂肪燃焼にどのように影響するのかということです。

今日はアルコールの働きを知り、自分の目標にどんな影響を与えうるのかについて考えてみましょう。

 

アルコールは脂肪の蓄積を助長してしまう

身体にとっては、アルコールは毒素です。あなたの身体の消化、吸収、貯蔵システムをボタンが幾つもついたダッシュボードと考えてみてください。

この代謝を司るダッシュボードには、大きな赤い「停止」ボタンがついています。アルコールを消費すると、身体はこの「停止」ボタンを押します。

その結果、何を消費し、それをどのようにエネルギーとして使うかを決定する栄養素の調整機能は一時的に停止し、身体機能はアルコールの分解を最優先事項として取り組むようになります。

体内に取り込まれると、アルコール(エタノール)はアルコール脱水素酵素(ADH)によって、アセトアルデヒドとニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NADH)という物質に分解されます。このプロセスが栄養貯蔵と体内組成に好ましくない影響を与えるのです。

アルコールが分解されると最終的にアセチル補酵素A(アセチルCoA)という物質ができます。この分子が脂肪酸の合成と脂肪分子の生成に深く関与しているのです。

アセチルCoAが過度に蓄積すると、脂肪酸の合成が増え、結果として脂肪貯蔵の増加につながるのです。

加えて、アルコールの分解により増えたNADHは身体にたくさんのエネルギー(カロリー)があるというシグナルを送ります。

身体はこのエネルギーを蓄えようとし、そのためにNADHの増加でもまた脂肪酸の生成と貯蔵が進むことになるわけです。

時間の経過とともに、これら分子は脂肪酸の貯蔵を進めるよう身体中での変化を促進します。あなたがもし身体を作り上げている途中ならば、こうした変化は全く好ましいものではありません。

 

研究結果による証明

しかし、アルコールをすべて断つ必要があると言っているわけではありません。私だって、皆と同じようにアルコールが好きです。しかし様々な研究の成果も無視すべきではありません。

例えば、最近『Journal of Clinical Investigation』に掲載された画期的な研究では、研究者らはアルコール摂取が炭水化物、脂肪、タンパク質の代謝に与える影響を調査しています。

研究者らは、4時間にわたって、脂肪酸とグルコースの代謝を調べました。まず、被験者らにグルコースとインスリンを静脈注射で同時に投与します。投与時、30分後、その後は15分毎に血液サンプルを採取し、被験者らの代謝状況を調べました。

実験開始から2時間後、グルコースの点滴の代わりにアルコール飲料2杯分相当のアルコールの点滴を行います。アルコールの点滴後、脂肪酸化率(脂肪燃焼のこと)は87%も減少しました。

脂肪を燃焼させるかわりに、被験者の身体はアルコールをエネルギーとして使い始めたのです。脂肪酸化率はアルコール投与後4時間以上、低いままでした。これは脂肪を燃焼させたい人には悪い知らせです。

身体がアルコールを分解、代謝するスピードには大きな個人差があるとはいえ、たとえ少量のアルコールでも脂肪分解を妨害するだけの時間、体内に残っていると考えたほうが良さそうです。

この研究者らはまた、被験者にアルコールとグルコースを同時に投与する実験も行っています。アルコールを飲む時に炭水化物も一緒に摂る人も多いでしょう?この結果は覚えておいてください。

アルコールとグルコース(炭水化物)を同時に投与した場合、1分あたりの脂肪酸化率はほとんどゼロにまで低下したのです。

わかりやすく言えば、スポーツ観戦しながらビールとポテトチップスとサルサを食べると、脂肪酸化率はほとんどゼロになる、ということです。

炭水化物を多く含むスナックとアルコールをよく一緒に摂っている場合、使われない余剰カロリーを詰め込んでいることになります。この余剰カロリーは脂肪として蓄積される可能性が高いです。そして、中学生でもわかりますが、多すぎる脂肪貯蔵は好ましいことではありません。

 

◆結論

たとえ少量のアルコール摂取でも脂肪の分解を一時的に停止してしまいます。アルコール摂取は脂肪酸の分解の減少と貯蔵の増加の原因となることを研究の結果は示しています。

アルコールを長期間にわたって過剰摂取していると、脂肪減少という戦いに勝ち目はなくなります。

適度なアルコール摂取には血圧低下など健康面での効果もありますが、常にアルコールを飲み、食べ過ぎているのならば思う通りの身体を作り上げるのは不可能です。

毎日の生活と体型の維持向上を両立させるには、アルコールは週に2回、一度に1~2杯までとし、スナックを取り過ぎないことです。


 

大量の飲酒は筋肉にも大きなダメージを与える

お酒を飲み過ぎた翌日、吐き気やだるさ、頭痛などの二日酔いの症状は誰しも一度は経験があるのではないかと思いますが、なぜか「筋肉痛のように筋肉があちこち痛い…」というような状態になったことなどはないでしょうか??

お酒の飲み過ぎによる、この筋肉痛のような痛みは『急性アルコール筋症』(ミオパチー)と呼ばれるもので、一時的な筋力の低下とともに、筋中のタンパク質の合成の著しい減少、筋繊維の部分的壊死(特に速筋繊維)など筋肉に大きなダメージを与えてしまうということがわかっています。

プロスポーツの世界でも、長く現役で活躍してコンディショニングを保っている選手で豪快な大酒飲みの人というのは少ないですよね。お酒が好きだったとしても節度を持って付き合っているということでしょう。

これから何かとお酒を飲む機会が増えるシーズンに入りますが、ダイエットや肉体改造を意識している方は飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう!

それではフィットネスジャンキーでした!