こんにちは!フィットネスジャンキーです!
皆さんTRXというトレーニングアイテムをご存知でしょうか??
トレーナーをしている方なら、すでにご存知のアイテムですよね。
TRXは米国の海軍特殊部隊によって生み出されたもので、乗船期間中などマシントレーニングやフリーウエイト器具がない状況で、身体のコンディショニングや筋力を維持するために何か良い方法はないだろうかと模索されていたところ、柔術のベルトをつなぎ合わせて鉄柱などに引っ掛けるトレーニング法を思いついて、ベルトを利用したトレーニング法の利点や可能性が見出されたところから発展していったトレーニングアイテムです。
今でこそ多くのフィットネスクラブがクラスに取り入れ、アスリートのトレーニングから老若男女問わずまで広まっていますが、実はこんな“超武闘派エピソード”が起源となっているアイテムなんですね。
どんなものか知らないという方は、やはり実際に見てみないとイメージが湧かないと思うので、TRXが良くわかる動画を貼りつけておこうと思います。
TRXトレーニング動画
このようにTRXは、それ1本さえあれば自室のドアに引っ掛けたり、電柱、公園の鉄棒や木などに引っ掛けてどこでもトレーニングが出来るのと、身体の角度を急角度にしたり、片足立ちでトレーニングをしたりすることで強度を高めることも出来ます。
また安定したマシンで座って行うのではなく、不安定な吊り輪(ベルト)を使って自分の体重をコントロールしながらトレーニングを行うので、筋力と同時にバランス感覚を刺激出来るのと、多くのエクササイズ(ストレッチ含め300種類以上出来ると言われている)が身体を真っ直ぐ保持した状態をキープして行っていくものなので、体幹トレーニングやファンクショナルトレーニングとして定義づけられて紹介されることも多いアイテムです。
このようにエクササイズの多様性とファンクショナル的要素、どこでも出来るという便利性、トレーニングの斬新さや、前述したような起源のキャッチー具合も手伝ってか、TRXは海外でも日本でも一気に広まっていきました。
TRXは従来のウエイトトレーニングのように筋力を鍛えることは出来るのか?
しかしTRXをおこなっていて、従来通りのウエイトトレーニングと比べて、ちゃんと筋力を鍛えられるのか?という疑念の余地があるのも確かではないでしょうか??
米国のサイト、mensfitness.comでは、TRXを使ったトレーニングが従来のウエイトトレーニングと同じくらい筋力を鍛えられるという内容の記事を載せていました。
しかし、あくまで私見ですがその記事で載せられていた内容は少し疑問に感じる部分もあります。
短い内容ですが、翻訳部分を紹介しますね!
TRXと従来のウエイトトレーニングを比較した研究結果
以下は翻訳部分になります。
心配する必要はもうありません。TRXはウエイトトレーニング同様筋肉を形成することが研究でわかりました。
TRXサスペンション・トレーナーと、類似する他の「不安定な土台」のものは、(あなたの家も含め)何百万という人の家、そしてほぼ全てのジムにあることでしょう。しかし、筋肉や筋力をつけるのに、それらは従来のウエイトトレーニング同様の効果があるのでしょうか?答えはどうやら「イエス」のようです。
“Journal of Sports Science and Medicine”では、トレーニングはしていないが健康な36人の男性に、週3回、七週間サーキットトレーニングをしてもらいました。半分には従来のトレーニング(プレス、スナッチ、カールなど)をウェイトやケーブルトレーニングと共に、もう一方にはBOSUボール(バランスボールに似たトレーニングアイテム)と共にTRXでの同様のトレーニングを課しました。
その調査の結果、筋力、握力、スピード、ジャンプ能力の改善率はどちらも同じくらいであることがわかりました。
研究者の1人ホセ・ルイス・マテ・ムニョス博士は、「インスタビリティ・トレーニングは筋力をあげるのに最善の刺激を与えてくれるのです」と述べています。
自宅でTRXを使ったトレーニングをしようと考えているのなら、それは寝室のドアを年中へこませるということですから、考え直して下さい。木、電柱、フェンスなど、外にあり十分な高さがある(213㎝~274㎝)、なおかつあなたの全体重を支えられるものを使えば、素晴らしいトレーニングができますよ。
“トレーニングを普段していない人達”には同様の効果があった
いかがだったでしょうか?
これを見ると、「フリーウエイトはやらずにTRXだけやってもいいんだ」と思ってしまうかもしれませんが、ここで重要なポイントは、“普段トレーニングしていない人達”には、従来のウエイトトレーニングと同様の効果があったという部分だと思います。
何が問題かというと、TRXは前述したように、自分の身体の角度や立つ位置、片足立ちでおこなうなどの強度の高め方があるのは確かですが、TRXを通して行っていくトレーニングは全て“自体重”で行っていくものなので、筋肉量や筋力の底上げを目的とした場合、頭打ちが早く来てしまうという問題があるんですね。
あくまで個人的な推測の域を出ませんが、この実験はトレーニング未経験者の方たちが七週間という短い期間、それぞれのトレーニング法を行っていったものであるため、TRXを行っていったグループに、その頭打ちが来てしまう前に実験が終了し、結果的に従来のウエイトトレーニングを行っていったグループと差が出なかったということも考えられると思います。本当に個人的な推測にすぎませんが。
ただTRXをディスりたいという訳ではもちろんなく、従来のフリーウエイトを含め、それぞれのトレーニングには「長所と短所」があるということです。
もっと具体的に言うと、フリーウエイトなどの従来のトレーニングは、筋肥大や筋力の底上げには有効だけれども、スポーツ競技や実生活の動きなどには程遠いし、動きもある程度限定されている、
TRXは自分の身体をコントロールしてバランス感覚も刺激出来るし、多様なエクササイズで色々な方向に動くことが出来て、実生活やスポーツの動きに近いけど、自体重である以上、筋肥大や筋力の底上げを考えた時に頭打ちが早く来てしまう…などなどですね。これは人により様々な意見があると思いますが…。
前述したように、TRXは非常に有用性の高いトレーニングツールであることは確かですが、従来のトレーニングも含め、全ての要素を兼ね備えた、全ての人に同じように有効なアイテムや、単一のトレーニング法などはないということです。
そこで何が重要になってくるかというと、今の自分にとってどのトレーニングが効果的で、どのようなトレーニングプログラムを組み立てれば有効になりえるのか?ということになってきます。スポーツ競技をしている方などは、特に重要な部分になってきますよね。
ただこれを見定めるのは、動きの評価(アセスメント)といって、とても専門的で難しく、トレーナーの人の仕事になってくるのですが…。
自分でトレーニングをしている時も、柔軟性を含め、このトレーニングを取り入れればもっと動きやすい身体になれるかな?など何となく考えながら試してやっていくと面白いのではないかと思います!
それではフィットネスジャンキーでした!
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